いきなりですが、次のような経験をしたことはないでしょうか?
文法とか基本的なことは理解しているつもりなんだけど、なぜか文章が全然読めない。。。
スクリプトを見ればわかるのにリスニングがさっぱり…。
ある程度知識はあるはずなのに、文章を読んでも意味が全然入ってこなかったり、一向に聞き取りができるようにならなかったり、そんな悩みって多くの人が抱えていると思います。
もちろん気持ちの面で心配というだけでなく、例えば TOEIC や英検など、具体的な点数から停滞していることがわかっているのに、そこから脱却する方法がわからず八方塞がりになっているという方もいるでしょう。
管理人のとみーも何を隠そうその1人でした。
中学3年生の時に英検3級に合格したものの、その2年後、高校2年生の時に受けた TOEIC では340点(英検3級程度)しか取ることができず、ちゃんと勉強しているのにまったく成長しないという苦しい時期が続きました。
まだまだ未熟者ですが、伸び悩みから脱出した今は IELTS オーバーオール7.0 を取れるようになりました!
自分は英語をどこまで理解しているのか
伸びない原因を明らかにするためには、どこまで自分が英語を理解しているかをしっかり整理する必要があります。
英語との出会いから1つずつ辿っていきましょう。
英語との出会い-中学校-
まず、日本人が英語を勉強し始めるのは、すごく若い一部の世代を除けば中学校に入ってからがほとんどだと思います。
中には
- 海外生まれで英語とともに育った!
- インターナショナルスクールに通ってた!
という人もいるかとは思いますが、一般的と言えるほど多くはないでしょう。
とみーも例に漏れず、中学校から英語を始めた大半のうちの1人です。
そして、中学校ではアルファベットの読み書きから始まり、
- be 動詞と一般動詞
- 現在形・現在進行形・過去形などの時制
- 疑問文・命令文の作り方
- 受動態
- 助動詞
- 不定詞・動名詞
- 比較
- 関係代名詞
など、基本的なことを多く学んだと思います。
巷でよく
文法は中学英語が完璧にできればそれで十分!
なんて言われるように、中学英語は基本的な文法の多くを網羅的に扱っているため非常に重要です。
とみーは中学時代はかなり英語ができた方で、それこそ教科書に載っている単語・表現はすべて理解しているくらい得意でした。そのため、この点で伸び悩みを感じることはありませんでした。
最初の方にも触れた通り、中学3年生の時に英検3級に合格しました。
英検3級は中学卒業程度レベルと言われているので、客観的に見ても中学英語はよく理解できたのだと思います。
停滞の始まり-高校時代-
続く高校時代です。
基本的な文法事項は中学の時点でほとんど習い終えており、高校ではどちらかというと細かい動詞の使い方や語法、熟語表現などがメインになるので、理解が深まるというよりは知識が増えるという状態に近いでしょう。
ただし、文の構造が複雑になるので、文の構造を分析する力が必要になってきます。
幸いとみーは文構造の把握はなんとかそれなりにはできるようになり、この点でもつまずくことはありませんでした。
しかし、高校2年生の時に受けてみた TOEIC でまさかの 340点(英検3級レベル)という結果が返ってきて、ボキャブラリーや知識は増えたはずなのに中3の時から全く伸びていないことに気づきました。
中学時代に習った文法に加え、わずかながらも高校で新しく習った文法(仮定法など)は当然しっかり押さえ、単語や熟語、語法などに関する知識も増え、文の構造を解析する力もそれなりに身に付いたにもかかわらず、何の成長もしていないと数字で証明されてしまったのです。
ところが、すでにある程度知識が身に付いていたことがかえって足枷になり、この頃から
- 今の自分は何ができなくて伸びていないのか
- 何をどう改善すればまた伸びていくのか
といったことがわからなくなってしまいました。
いわゆるスランプ状態です。
自分の英語力が伸びていないことをさらに痛感したのが、大学受験でした。TOEIC を受けた高2の時点からスランプであることは気付いていましたが、いざ受験問題に取り組んでみると
- 読めない
- 解けない
- 聞き取れない
の三重苦で、本格的に英語に対して苦手意識を持ち始めてしまい、結果これを克服することができず受験当日になってもおよそ英検3級程度のままで挑み、失敗に終わってしまいました。
大学時代
大学に入ると、特に学年が進むにつれて、友達や先輩、先生など色んな人を通して就職に関する話を耳にする機会が増えてきます。そんな中でも話題になるのがやはり英語。
いくら苦手意識を持ってしまったからといって、避けれらるわけではないのが現状です。
とはいえ TOEIC 340点ではお話にならないのも明白です。
そこで、就職までまだ時間があるうちにどうにかしなければいけないと思って色々自分なりにじっくり自己分析を行い、ある考えに辿り着きました。
そして、この考えに基づいて行動したとみーの英語力は、確かに見違えるほどに再成長しました。
とみーの大学では週1で英語が必修となっていたのですが、授業は教科書を音読するだけ、テストは教科書を丸暗記したものを書くだけ、という、どう頑張っても役に立つものではないため、授業のおかげで伸びたとは考えにくいです。。。
伸び悩んだ本当の原因とその解決策
それは、伸び悩んでいた本当の原因が
英会話に触れる機会が圧倒的に少なかった
ことにあったのではないかという考えです。ここでいう英会話というのは、人と英語でコミュニケーションをするという行為だけを指しているのではなく、英語で会話している人の音声を聞く映画鑑賞なども含んでいます。
リスニング・スピーキング
当然のことですが、リスニングができるようになるには英語の音に聞き慣れる必要があるので、英会話に触れる機会が多ければ多いほどできるようになります。
聞き取れるのに理解できないとなれば、問題はリスニングではなく単語力や文構造を把握する力にあるでしょう。
事実、とみーがリスニングにおいてできなかったのは「聞き取ること」であり、聞き取ったものを「理解すること」ではありませんでした。
スピーキングはもちろん自分から話す機会があるに越したことはありませんが、なかなかそうした機会を持つのは難しいですよね。大学であれば留学生と積極的に交流する、社会人であれば英会話スクールに通う、などの選択肢が一応あるものの、どれも気軽に始められるものではありません。ただ、人が会話している音を追うだけでもやり取りの流れに馴染むことができるので、英語で映画やアニメを鑑賞するだけでもそれなりの効果が見込めるはずです。
結局は、人が会話する流れを理解した上で、あとはその流れを自分から真似して作れるようになるかだからです。
また、これはやや天下り的な考えですが、現状日本の就職・昇進で求められる「英語力」はリーディング・ライティングのみからなる TOEIC が基準になっているため、就職・昇進がゴールなのであればスピーキング・ライティングの重要度は少ないと言えます(使える英語を身につけたいのであれば話は別)。
リスニング・スピーキングは単純に、実際に行う機会が少ないというのが根本的な原因ですよね。
リーディング・ライティング
いいえ、できるようになります。実は、ここが大きな見落としでした。
英会話(英語の音を聞く練習)とリーディング・ライティングは大きく関係しています。
英会話の練習を繰り返して、英会話が理解できる/成り立たせられるようになるということは
- 会話の速度で
- 英語の
- 論理展開を追う/作る
ことができるようになるということにほかなりません。
もちろん会話と書き言葉では使われる語彙や言い回しは多少異なるものの、基礎となる論理展開は変わりません。人を説得するために主張を行い、その理由づけをして、例などを使って具体性を持たせるという手法は、それが読者であっても聞き手であっても変わらないのです。
例えばリーディングでは、人が話す英語が理解できるようになると、それだけ文を見て意味を取るまでの瞬発力が強化されますし、文ごとの繋がりや行間を読む感覚も養うことができます。
一方でライティングは、リーディングと比べると自分から論理を作らなければならないため難度は上がるものの、似たようなことが言えます。文を1つ作った後にどのような内容を繋げるかという構成は、英会話の速度感で論理展開が追えればそれだけ速く思いつくことができるはずです。
ただ、例えばエッセイのような決まったフォーマットが求められるようなライティングは、やはり形式慣れなど個別の対策が必要です。
特にリーディングに関して、
文ごとの繋がり?行間を読む?書き言葉は会話と違って表情とか声色とかの違いがないから、むしろそういうのは個別に対策する必要があるような気がするけど…?
と思う方がいるかもしれません。確かにそれは一理あります。
しかし、同じ文でも状況によってニュアンスが異なるというのは、何も会話に限った話ではありませんよね。書き言葉にだって存在します。ただ、表情や声色など文脈以外の情報がない状態でいきなり読み進めていっても、文ごとの繋がりを掴み、行間を読むのは難しいのです。
なぜなら、どのような言い回しがどのようなニュアンスで使われ得るかを知らないからです。その点会話では、表情・声色も合わせて判断できるため、
あっ、このフレーズってこういうタイミングでも使えるんだ!
とか
接続詞はないけどこういう文の繋ぎ方もあるのか〜。
といった「気付き」を得やすく、文章を読む上で参考となる「勘」や「センス」を身につけることができるのです。
また、文章には会話が多く登場する小説や、インタビュー・ルポルタージュなど人との会話で得た情報をまとめた記事なども多く、そういう場合は結局会話に慣れていること自体が読む力に直結するでしょう。
とみーの場合、文中の単語や表現は全部わかっているのに意味が取れなかったり、意味が取れてもテストなどの問題が解けなかったりしたのは、まさにこの論理展開、文の繋ぎ方といった「英語の流れ」が掴めていなかったからなのです。掴めはするものの、何度も読み返すなど時間がかかりすぎていた節もありました。
具体的なスランプ脱却方法
結論はシンプルで
英会話をたくさん聞くべし
というものに帰着してしまいますが、そんな中でもとみーは勉強というかっちりした形ではなく楽しんで英語に取り組みたいと考え、アメリカのアニメを英語が得意な友達に教えてもらいました。
South Park(サウスパーク)
それが、South Park(サウスパーク)という作品です。
サウスパークはわんぱくな少年4人の日常を描いたギャグアニメで、日本でいう「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」のようなイメージでしょうか。ただし、扱う内容としては政治や国際、性、宗教といったセンシティブな話題が取り上げられることも多く、社会風刺やブラックジョークが含まれているなど、英語を抜きにしても考えさせられることが多い興味深い作品です。
アメリカのアニメなのでスピード感はネイティブのそれですが、映像があるので話の展開が追いやすく、言葉が分からなくても単純に見ていて面白い点がとみーには合っていました。
もちろん最初のうちはまったく聞き取れなくて理解できないのですが、
- 見ていて面白い
- 面白いからもっと理解したい・聞き取りたい
- そのためにもっと英語を勉強したい
- 前に勉強したものが出てきてもっと理解できるようになった・前と同じ音だから今度は聞き取れた
→ 「1. 見ていて面白い」
といういい循環が作れ、面白さを理解したいというのが1番のモチベーションになって、勉強しているという意識なしに取り組むことができるのが非常に大きいと個人的には感じています。
ネイティブのスピード感はまさしくリスニング・スピーキング力を鍛えるためにもってこいなのは言うまでもなく、一見筋が通っていなさそうなものでも屁理屈を重ねて理路整然としている風に感じさせるギャグアニメならではのシーンは上で述べた「論理展開」などの感覚を掴むのにピッタリです。
もしかしたら効果があったのかもしれないこと
個人的にはサウスパークのおかげで伸びたという実感が強いのですが、他にもやっていたことでもしかしたら効果があったかも?というのが、英語による授業の履修です。
これは少し特殊な例にはなってしまうのですが、とみーはフランスの学校に2年間留学しており、この際に英語で授業を受ける機会というのが2年間で何回かありました。
もしかしたら
結局留学しなきゃダメってこと…?
と思う人もいるかもしれませんが、そんなことはありません。
今は日本の大学でも英語で受けられる科目が用意されていることが多いので、留学しなくても「英語で授業を受ける」ということは十分可能です。
ちなみに、ご存知の通りフランスの公用語はフランス語で、有名な観光地では英語が通じるところもあるようですが、学生が過ごすような場所ではフランス語しか通じません。そのため、日常的に英語を使う機会はまったくありませんでした。
もちろん理想を言えば英語圏に留学するのが1番だとは思いますが、恥ずかしい話、とみーの英語力では行ける英語圏の留学先がせいぜい語学学校くらいしかなく、その費用を自費で捻出できるだけの余裕はありませんでした。
一応英語で行われる授業があったので、多少耳にする機会が増えたのは事実です。
とはいえ、大半の授業はフランス語で行われており、数少ない英語の授業も非ネイティブのフランス人先生の英語だったため、念の為ご紹介はしたものの正直なところ大きな効果があったかというと微妙なところです。
英語で授業を履修すること自体はいい経験になるとは思いますが、アニメやドラマを見るような気軽さ・楽しさはありませんし、個人的にそこまで大きく英語力向上に役立ったと実感しているわけでもないので、とりあえずやれることはなんでもやりたい!というガッツのある人以外は無理に手を出さなくてもいいと思います。
サウスパーク(+英語で授業履修)を1年半続けた結果
実はサウスパークは留学したての頃に英語が得意なセネガル人学生に教えてもらったので、サウスパークを見始めた時期と英語で授業を履修し始めた時期はほぼ同じでした。
日本では珍しいと思うのですが、留学先の学校では
全学生が IELTS を受験する
という決まりがあり、とみーはちょうどサウスパークを見始めて1年半ほどが経ったタイミングで IELTS を受けました。
そしたらなんと、いきなり次の結果を得ることができたのです。
留学先の勉強についていくのが大変で IELTS 自体の対策はまったくできず、空き時間にサウスパークを見て、たまにある英語での授業で英語を耳にするくらいのことしかしませんでしたが、それでもある程度の成績を収めることができました。
TOEIC 340点と比べると大成長に間違いありません!
IELTS 7.0 を TOEIC に換算すると、おおよそ870点くらいに相当するようです。
取り組む作品は何でもいい
ここで言いたいのは、何も
サウスパーク最高!
ということではありません。そうではなく、十分な知識があるはずなのに伸びなくなってしまったという人が
英会話に触れる機会を増やす
ことによって、立ちはだかる壁を乗り越えていける可能性があるということです。そのため、
- Peanuts(スヌーピー)
- The Simpsons(シンプソンズ)
- Friends(フレンズ)
- Harry Potter(ハリーポッター)
などなど、取り組む作品は好きなもので構わないと思います。大切なのは、何よりも自分が楽しく取り組めることです。
興味ないものは見続けても面白くないので続きません。
おすすめの勉強法
サウスパークを見るときは、次のように取り組んでいました。
- 字幕付きで一通り見る
- スクリプトを確認し、わからなかった部分を調べる
- 意味を理解した上で、もう1度今度は字幕なしで見る
最初から字幕なしで見れるのが理想ですが、正直速すぎて付いていけないので字幕付きで始めるのがいいと思います。
1年半くらい続けた今では、最初から字幕なしでもまあまあ理解できるかなぁといった感じです。
また、1度見終わったエピソードは何かの作業の片手間に音楽がわりに聞き流して、音だけでも理解できるように何度もリピートしています。
そのためエピソードを映像付きで見るというのはせいぜい1エピソードにつき2、3回ですが、聞き流しも合わせれば1エピソードあたり数十回程度だと思います。
まとめ
- とにかく楽しんで「英会話に触れる機会を増やす」ことが大事!
- もちろん基礎が身に付いていない場合は、中学の文法や文の構文解析の練習から始めるべき。
コメント