どうも!初めましての方は初めまして、初心者のWebサイト勉強のとみーです!
みなさんは
と聞かれたら、どのように答えますか?
エンジニアに必要な能力というのは実際に活動する分野や具体的な業務内容によって大きく異なり、一般化するのが難しいですよね。
例えば自動車の部品開発に携わるエンジニアであればモデリングのスキルが必要になるかもしれませんし、クライアントに近いエンジニアであればマーケティングのスキルが必要になることもあるでしょう。IT 系のエンジニアであればインターネットに関するスキルが必要になることも考えられます。
エンジニアに関して、とみーは大学の学部時代にフランスの工業系グランゼコールという
エンジニアの育成に特化した専門の教育機関
に留学していました。
将来に望む分野は様々ですが、全学生がエンジニアを目指す学校です。
そこでは学生のうちからエンジニアとして必要な知識やスキル、マインドを養うための特別な授業が設けられており、その初回の授業で
将来の活動分野に寄らずどんなエンジニアでも必要なものを直感的に理解する
ためにマシュマロチャレンジという課題に取り組みました。
これがなかなか興味深く、得られた学びが大きかったので「エンジニアになる前」の人にぜひ取り組んでみてほしいと思い、この記事を作成することにしました。
どんなエンジニアにも必要なものはチームプロジェクトの運営能力
どんな分野で働こうとも、エンジニアの仕事は基本的にプロジェクト単位で行います。
これはどの国でも変わりません。
自分で1から10まですべてのシステムを作り上げるような「完全に1人で働くエンジニア」の場合は少し事情が異なるかもしれませんが、フリーのエンジニアでも外部の何らかのプロジェクトに部分的に携わることで仕事をもらうというのが一般的です。
また、プロジェクトを行う場合は当然ながらチームで活動することになります。
そもそもプロジェクトってなんだろう?
ここでいうプロジェクトというのは、
- 決められた具体的な目標・目的のために
- 限られた時間と
- 限られた方法
の範囲内で取り組む活動のことを指しています。
小さなベンチャー企業が LINE のようなメッセージアプリを作るプロジェクトを例にとって、求められる能力について考えてみましょう。
プロジェクトの具体的な目標・目的を分析しよう
メッセージアプリとして最低限必要なものは「メッセージをやりとりできる機能」ですが、これは具体的に
の2つです。
また、送られてきたメッセージを確認するためには「自分が誰であるか」を特定する必要があるので、
も事実上必要な機能になります。
さらに言うと、
も大切です。
送ったメッセージが画面に反映されるまで10分も20分もかかってしまってはコミュニケーションに支障が出ますよね。。。
以上の4つがあればメッセージアプリとして機能するので、この4つを実装することが目標になります。
プロジェクトには必ず時間的な制約がある
さて、具体的な目標・目的がわかれば早速プロジェクトに取り組んでいきたいところですが、仕事としてやる以上は必ず納期や締め切りがあります。
完成するまでいくらでも時間をかけられるということはまずありません。
それもそのはず、プロジェクトの期間が長くなればそれだけコストがかかりますし、完成の目処が立たないプロジェクトにいつまでもお金をかけていられないからです。
時間をかければそれだけ良いものが生まれるというのは間違いではありませんが、それだけの長期間を支えられるだけの資金・時間的余裕があるかどうかはまた別の話です。
そのため、限られた時間の中で重要度の高いものから手を付けていく判断力が鍵になります。
プロジェクトに使える資源にも制約がある
資金に限りがある以上、プロジェクトに動員できる人的・物的資源にも限りがあります。
30人で開発した方が早く終わり、更なる機能を付け加えられるのだとしても、10人分の人件費しか無ければ10人しか雇えません。
同じように、最新で高性能なものを使った方が絶対に効率は良いですが、そんな簡単に買い換えることはできません。
ベストな環境で取り組むのが1番ですが、現実にベストな環境を用意することは難しいのです。
そのため、何が使えるかなどを含めて自分の置かれている状況をきちんと把握する冷静さと、使える資源の中で可能な方法を模索していく柔軟な対応力が物を言います。
チームで働くことは個人で働くことと大きく異なる
作る対象が複雑なものであればあるほど、チームで取り組むことは不可欠です。
そして、社会が求める有用なものは大抵複雑です。
個人で取り組む場合はすべて自分の好きに決めることができますが、チームで取り組む場合は勝手が大きく異なります。
アプリの開発を例に取るとわかりやすいですが、1人の仕事は他の人の仕事と関連しています。そのため、何がどう必要なのかをプロジェクトを通してメンバー同士できちんとすり合わせ、認識を合わせなければいけません。
分野によらず共通して必要なのがチームのプロジェクトを円滑に進める能力
ここまでスマホアプリの開発プロジェクトを例に話をしてきましたが、以上の話はどんな分野のエンジニアについても成り立ちます。
つまり、
- 有限の時間の中で目標に優先順位を付けながら実現するための判断力
- 有限の資源を有効に活用する柔軟さ・発想力
- チームとして行動するための適切な振る舞い
は分野によらず共通して必要な能力なのです。
これらに合わせて、自分たちの作り上げた価値を伝える力というのも大切です。どんなに素晴らしいものが出来たとしてもそれをうまく伝えられなければ正当な評価を受けることができません。
この本はエンジニアに向けたのプレゼン教科書で、その身につけ方を実例とともにわかりやすく解説しています。
ここまで読んで、もしかしたら
そんなの当たり前じゃないかー!!
と思った方がいるかもしれません。しかし、
頭で理解することと実際に行動できることは別
です。それを試すために有用なのが本題のマシュマロチャレンジです。
マシュマロチャレンジとは?
マシュマロチャレンジは、アメリカのパーム(Palm Inc.)という携帯会社のデザイナー Peter Skillman によって考案された少人数で行う設計演習です。
非常にシンプルな内容でありながら、チーム形式のプロジェクトに関する重要な教訓を身をもって経験することのできる課題として、幼稚園児から世界的企業の経営者に至るまで世界中で広く行われています。
実際、アメリカ発祥のチャレンジですがとみーはフランスの学校でこれを行いました。
名前からは想像が付きにくいですが、日本では企業の新人研修として行われることもあるくらい立派な取り組みです!
マシュマロチャレンジのルール
人数
マシュマロチャレンジは4人程度の少人数で取り組みます。
人数制限は厳密ではないので、友達などを誘って5、6人で取り組んでも OK です。
ただし、本来はある程度人数がいる集団(1クラスなど)を4人程度に分割し、複数のグループで競うようにするものなので、例えば6人いる場合は6人のグループ1つで取り組むよりも3人のグループ2つで取り組む方が良いでしょう。
用意するもの
マシュマロチャレンジに挑戦するグループに必要なものは以下の通りです。
- マシュマロ1個
- スパゲッティ20本
- 硬すぎないひも(タコ糸など)1メートル
- テープ(マスキングテープやセロテープなど)1メートル
- 安定な机
ひもはハサミなどで切れるくらいのものにしましょう。あまり硬すぎて曲げるのも一苦労なひもは適しません。
ちなみに、ひもとテープの長さは大体で大丈夫です。
主催者は以下の2つを用意しましょう。
- ストップウォッチ
- メジャー
目標
支えなしで自立するできるだけ高い構造を作成する
複数グループで競うようにするのが理想的なのは、1グループだと作成できた構造が高いのか低いのかがわからず評価が難しいからです。
注意点が3つあります。
- 構造の頂点にはマシュマロを乗せること
- 用意されたもの以外は使用禁止
- 構造は自立しなければならないため、手で支えたり用意されたもの以外で支えたりすることはできない
構造が自立しているかどうかの目安としては、1分程度崩れなければ自立していると見なして良いでしょう。
用意されたものの使い方に関する制限はなく、スパゲッティを砕いたり、テープやひもを切って使ったりすることはすべて可能です。ただし、マシュマロをちぎったりして細かくすることは禁止です。
マシュマロの形が崩れてしまった場合のために、予備を用意しておくと良いかもしれません。
制限時間
制限時間は18分です。18分になった時点ですべての作業を止めなければなりません。
これはエンジニアのプロジェクトでも同じ条件ですよね。期限延長を許可するかどうかを決めるのはクライアントやプロジェクトの管理者であって、現場のエンジニアではありません。
わかりやすいように、18分ぴったりで終わるプレイリストを組んでチャレンジの最中に流すのも1つの方法です。
そのほかにあると良いもの
マシュマロチャレンジは他グループと競う形で行うため、優勝したグループに何か景品を用意しておくと良いモチベーションになります。
あくまで楽しみながら取り組むものなので豪華なプレゼントは必要ありません。
例えばジュース1杯とかアイスクリーム1個とかでも十分です。
実際にマシュマロチャレンジに挑戦してみよう!
マシュマロチャレンジの流れが理解できたら、早速人を集めて取り組んでみましょう。
このご時世なので、まとまった人数を集めるのは少し難しいかもしれません。。。
得られた結果が良いのか悪いのか、世界中の人がどんな結果を出したのかはとても興味深く、エンジニアとして学ぶものが非常に多いです。
しかし、実際にマシュマロチャレンジに取り組む前に他の人の結果を知ってしまうとネタバレになり、それを意識して取り組むようになって本来の意図から離れてしまうので、取り組んだ後の考察と教訓については別の記事で改めてまとめてあります。
プロジェクト経験の少ないうちは、プロジェクトを上手に進めるというのが抽象的過ぎて「具体的に何をしたら良いかわからない」ということが多くあります。
この本では、豊富な図を用いて「プロジェクトを進めるとはどういうことか」「プロジェクトがうまくいかない原因はどこか」がわかりやすく説明されており、実践の前に押さえておきたい情報をインプットすることができます。
特に学生は職業経験が圧倒的に足りていないため、プロジェクトに関するノウハウを知っておくだけでも他の人と大きく差をつけることができます!
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