今回は全5回のうちの第2回で1:00〜2:00くらいまでの文章を扱っています!
- 0:00 〜 1:00
- 1:00 〜 2:00
- 2:00 〜 3:00
- 3:00 〜 4:00
- 4:00 〜 最後まで
参考 South Parkとは??という方は、こちらのページをご覧ください。
今回のスクリプトは South Park Archives からの引用であり、本記事の関連するすべての内容は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 継承 3.0 国際 ライセンスの下に提供されています。
また、South Park に関する画像は Comedy Central に著作権があり、関連するロゴやタイトル、キャラクターはすべて Comedy Partners の商標となっています。
過去には公式サイトで視聴できたようですが、どうやら厳密にはサウスパークでないとのことから削除されてしまったようです。現在はファンによりアップロードされた動画がYouTube(検索結果が開きます)などで確認できます。
Jesus vs. Santa:前回までの振り返り
クリスマス気分に浮かれてクリスマスソングを歌う4人の少年たち。しかし、クリスマスはキリスト教の行事であるため
ユダヤ教ではクリスマスをお祝いしないだろ!
ハヌカなんてくそくらえだな!
として、ユダヤ教徒のカイルが責められてしまいます。そんな折、4人の元にイエス・キリストが現れます。
神の後光をご覧あれ。
イエスはサウスパークで一体何をしているのでしょうか?
今回は、イエスがある人と再開するためにサウスパークにやってきたことがわかるそんなお話です。
今回のスクリプト
聞き取れなかった方はまず文面で理解し、その後スクリプトを見ながら徐々に耳を慣らしていきましょう!
スクリプトはこちらです。
- イエス:I come seeking…retribution.
スタン:He’s come to kill you cuz you’re Jewish, Kyle!
カイル:Oh, fuck! I’m sorry, Jesus. Don’t kill me. - イエス:Nay, fear not. I love All My Children.
カイル:Whew. - イエス:Tomorrow is my birthday. Yet all is not right.
スタン:Your birthday is on Christmas? That sucks, dude. - イエス:I must find a place called “The Mall”.
カイル:Well we can take you to the mall, Jesus.
スタン:Yeah! It’s over this way. - カートマン:Eugh! Goddammit, you stepped on my foot you pigfucker.
スタン:Dude, don’t say pigfucker in front of Jesus.
カートマン:Eh, fuck you. - スタン:Here we are Jesus, South Park Mall. Who are you looking for?
イエス:Him! - サンタ:Ho ho ho. We meet again, Jesus.
イエス:You have blemished the meaning of Christmas for the last time, Kringle! - サンタ:I bring happiness and love to children all over the world.
イエス:Christmas is for celebrating my birth!
サンタ:Christmas is for giving! - イエス:I’m here to put an end to your blasphemy!
サンタ:This time we finish it. There can be only one!
スタン:Dude, this is pretty fucked up right here.
構文解析と意味の取り方
構文解析などという高尚なものではありませんが、1つずつ丁寧に文を見ていきます。
1ブロック目
I come seeking…retribution.
He’s come to kill you cuz you’re Jewish, Kyle!
Oh, fuck! I’m sorry, Jesus. Don’t kill me.
スピードは速いですが、どの部分もはっきり発音されています。
イエスがサウスパークに来た理由を説明するシーンです。
- イエス:I come seeking…retribution.
- スタン:He’s come to kill you cuz you’re Jewish, Kyle!
- カイル:Oh, fuck! I’m sorry, Jesus. Don’t kill me.
「seek」は「〜を求める」なので「seeking retribution」は「報復を求める」です。
「He’s」は「He has」の省略形で、現在完了形の文です。
イエスはユダヤ教徒により死刑にさせられてしまったため、スタンはイエスがユダヤ教徒であるカイルを恨んでいると思ったのです。
ここの「fuck」は誰かに対して言った言葉ではありません。イエスがカイルを恨んでいるとスタンに言われて驚いたため、とっさに「まじかよ」、「ああくそっ」といった感じで出てしまったのです。
「I’m sorry…」以降ではイエスに許しを請いて、自分の身の安全を求めています。
2ブロック目
Nay, fear not. I love All My Children.
Whew.
「Aren’t you」は英語をあまり聞き慣れていないと聞き取るのが難しいかもしれません。
綴りと対応づけるのではなく、こういう音として覚えましょう。
イエスに恨みを買っているのではないと聞いて安心するシーンです。
- イエス:Nay, fear not. I love All My Children.
- カイル:Whew.
殺さないでくれというカイルに対して「否、心配無用」と答えています。
「All My Children」は特別な表現ではありませんが、ここでは神様の子供という点を強調するために大文字になっているのだと考えられます。「すべての子供たち」のように訳せますが、意味的には「全人類」という感じです。
心配無用と聞いて安心したカイルの「ふぅ」ですね。
この「和訳しよう」シリーズでは、中学文法をある程度押さえられた方向けに説明を作成しているため、中学校で習う内容に抜けや漏れがあると少し難しいかもしれません。
できない部分がわかっている場合はその部分だけ復習すれば問題ありませんが、全体的にまとめて復習したい場合はこの本がおすすめです。
説明やイラストがわかりやすくまとまっていることに加え、必要な事項が網羅されているため、この本だけで基本的な部分はすべて復習することができます。
3ブロック目
Tomorrow is my birthday. Yet all is not right.
Your birthday is on Christmas? That sucks, dude.
「Yet all」の部分は少しこもってて聞き取りにくいでしょうか。その他の部分は比較的簡単ですね。
クリスマスというイベントが子供たちにどのように理解されているのかが垣間見えるシーンです。
- イエス:Tomorrow is my birthday.
- Yet all is not right.
- スタン:You birthday is on Christmas?
- That sucks, dude.
難しいところはありませんね、「明日は私の誕生日なんだ」です。
「Yet」は「しかし」という逆接の接続詞です。
「all is not right」はここでは部分否定で
「全部が正しいわけじゃない」=「準備は万端ではない」
という意味です。
スタンはクリスマスがイエスの誕生日ということを知らなかったようです。「神様の誕生日ってクリスマスの日なの?」
「That sucks」の「That」は「誕生日へ向けて準備が済んでいないこと」を指しています。
「dude」はここではもはや意味のない言葉で、「That sucks」を強調しています。
4ブロック目
I must find a place called “The Mall”.
Well we can take you to the mall, Jesus.
Yeah! It’s over this way.
カイルの言葉が早くて聞き取りにくいかもしれません。
文章自体には難しいものはありません。
- イエス:I must find a place called “The Mall”.
- カイル:Well we can take you to the mall, Jesus.
- スタン:Yeah! It’s over this way.
「must find a place」は「ある場所を見つけなければならない」ですが、ここでは「ある場所に行く必要がある」のように訳した方が自然でしょう。
また、「called “The Mall”」は「a place」を修飾しており、「a place called “The Mall”」で「The Mallという名前の場所」です。
「take 人 to 場所」で「〜を…に連れて行く」です。
「over」は「this way」にかかっています。「over this way」で「こっちの向こうの方」という感じです。
5ブロック目
Eugh! Goddammit, you stepped on my foot you pigfucker.
Dude, don’t say pigfucker in front of Jesus.
Eh, fuck you.
カートマンの口の悪さが存分に発揮されているシーンです。。。
- カートマン:Eugh! Goddammit, you stepped on my foot you pigfucker.
- スタン:Dude, don’t say pigfucker in front of Jesus.
- カートマン:Eh, fuck you.
通りぎわに足を踏んでいったカイルに文句を言っています。
最後の「you pigfucker」はカイルへの悪口です。
神様の前で「pigfucker」なんて汚い言葉を使うんじゃないとカートマンに咎めています。「Jesus vs. Frosty」のときもそうでしたが、スタンは言葉遣いをある程度気にしていることが伺えますね。
とはいえスタンも「suck」などを使っているので、決して上品な言葉遣いといいうわけではありません。
「pigfucker」に注意を受けたカートマンは、言葉を変えて「fuck you」にしました。
品のなさは相変わらずです。
この「you」は足を踏んだカイルと注意をしたスタンの2人と捉えるのが自然でしょう。
6ブロック目
Here we are Jesus, South Park Mall. Who are you looking for?
Him!
4人の少年とイエスが The Mall なる場所に到着したシーンです。
実は今回の文には文法的に正しくないものがあります。
- スタン:Here we are Jesus, South Park Mall.
- Who are you looking for?
- イエス:Him!
上で見た通り、「さあ神様、サウスパークモールに着きましたよ」です。
問題の文です。この文は誰「を」探しているかを尋ねているので、文法的には目的格の「whom」を使って
Whom are you looking for?
としなければなりません。さらにいえば、前置詞で文を終わらせるのも好ましくないため、
For whom are you looking for?
が最も「正しい」文ということになります。
ただし、文法的には間違いであっても、実際の会話では今回のように「who」を使って「for」で終わらせることが多いです。
参考 Quora Which is the correct form, “whom are you looking for” or “who are you looking for”?
イエスが探していた相手を見つけたシーンです。
「彼」が誰なのかは次のシーンで明らかになります。
サウスパークはかなり難しい部類ですが、何回聞いてもいくら解説されても本当にまったくわからない…という方は英会話に対する取り組み方を見直すことも大切です。
この本は、海外ドラマに限らず実際に日常的に使われる単語が非常に少ないという点に注目し、具体的な練習問題を通して英会話として使える英語を身につけるというコンセプトで作られています。Amazonの売れ筋ランキングで第1位を取ったこともあり、試し読みをすることもできるので気になる方はぜひチェックしてみてください!
7ブロック目
Ho ho ho. We meet again, Jesus.
You have blemished the meaning of Christmas for the last time, Kringle!
タイトルからすでにネタバレしていますが、イエスが探していたのはサンタだったことが判明しました。
「for the last time」の部分は意味を取るのが難しいかもしれません。
- サンタ:Ho ho ho. We meet again, Jesus.
- イエス:You have blemished the meaning of Christmas for the last time, Kringle!
「Ho ho ho」はサンタの口癖ですね。
「We meet again」は「また会ったね」という感じです。
「You have blemished the meaning of Christmas」は「お前はクリスマスの意味を汚した」で、現在完了形なので今も汚されたままというニュアンスがあります。
「for the last time」は上で見た通り、その1回きりで2度と起こらない動作を指す表現なので、この文は「blemish 〜」が2度と起こらないことを表しています。
これは、もう傷つけられないほど「すっかり」クリスマスの意味が傷つけてられてしまったということです。つまり、全体の文を強調しているのです。
単純な日本語訳からは捉えにくいため、「2度と起こらない動作を表す」というイメージが大切です。
8ブロック目
I bring happiness and love to children all over the world.
Christmas is for celebrating my birth!
Christmas is for giving!
ここは聞き取りやすかったのではないでしょうか。クリスマスの意味を巡るサンタとイエスの意見がぶつかります。
どの文も単純な構造なので「訳出のポイント」はありません。
クリスマスは本来イエス・キリストの誕生を祝うものですが、現在ではもっぱら子供たちがプレゼントをもらえるイベントとして定着していますよね。その事実にイエスは怒っているのです。現在のクリスマスのあり方は、宗教的な観点からすると確かに議論の対象なのかもしれませんね。
9ブロック目
I’m here to put an end to your blasphemy!
This time we finish it. There can be only one!
Dude, this is pretty fucked up right here.
イエスの言葉が難しいですが、サンタとスタンの部分は比較的聞き取りやすいのではないでしょうか。
イエスとサンタの戦いが始まる直前のシーンですね。
- イエス:I’m here to put an end to your blasphemy!
- サンタ:This time we finish it.
- There can be only one!
- スタン:Dude, this is pretty fucked up right here.
「be here to 〜」は「〜するためにここにきた」です。「お前の冒涜を終わらせるためにここに来た」といった感じです。
「This time」は「今回は」ですが、ここでは「今度こそは」のように訳すといいでしょう。
これは映画のスローガンですね。
ここの「this」は戦いの雰囲気になってきたイエスとサンタを取り巻く状況と捉えるのが自然でしょう。
「pretty」の部分は、「fucked up」だけだと
もうめちゃくちゃで最悪だ!
という印象になるところを、「pretty」を入れることで
なんだかめちゃくちゃな感じだなあ。
という具合にやや程度を抑えています。
また、「right here」は「この場で」という意味です。
今回はここまでです!神様はサンタを倒せるのでしょうか?そして4人の少年はこの戦いをどのように見届けるのでしょうか?
次回乞うご期待です!
まとめの日本語訳とクイズ
- イエス:私は報復を求めて来たのです。
スタン:ユダヤ教だからお前を殺しに来たんだよ、カイル!
カイル:ああ、まじかよ!すみません神様。殺さないでください。 - イエス:否、心配は無用です。私はすべての子供たちを愛しています。
カイル:ふぅ。 - イエス:明日は私の誕生日なのです。しかし、万事順調ではないのです。
スタン:神様の誕生日ってクリスマスの日なんですか?準備できてないなんて最悪じゃん、まったく。 - イエス:The Mallという場所に行かなければいけないのです。
カイル:じゃあ僕たちが連れて行きますよ、神様。
スタン:そうだな!こっちの向こうの方です。 - カートマン:うわっ!くそっ、俺の足を踏みやがったなくそ野郎。
スタン:おいおい、神様の前でくそ野郎なんて言うなよ。
カートマン:あぁ、じゃあくそくらえだ。 - スタン:さあ神様、サウスパークモールに着きましたよ。誰を探してるんですか?
イエス:あいつだ! - サンタ:ほっほっほ。また会ったね、イエスよ。
イエス:お前はクリスマスの意味を完全に汚したんだ、クリングル! - サンタ:私は世界中の子供達に幸せと愛を届けているじゃないか。
イエス:クリスマスは私の誕生を祝うものだ!
サンタ:クリスマスはプレゼントだろう! - イエス:私はお前の冒涜を終わらせるためにここに来たのだ!
サンタ:今度こそ終わらせようか。生き残れるのはただ1人だ!
スタン:うわ、なんだかこの場がめちゃくちゃになってきたぞ。
クイズ
今回の内容を復習しましょう。
サウスパークでは色んな英語表現が学べますが、それらを実際に使って英語を話せるようになるには英語で人とコミュニケーションを取る経験が欠かせません。でも、日本で生活しているとそういう機会ってほとんどありませんよね。
この本は「ひとりごと」を英語ですることで、自宅にいながらひとりで実践的な英語を使えるようになるというコンセプトのもと作られています。文法も知識からスタートするのではなく、「ひとりごと」として口に出しながら身に付けていくため、私たちが日本語を身に付けていったのと同じように自然に習得することができます。
コメント