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フランスの大学にももちろん日本の大学のように中間テストや期末テストがあり、それらをもとにして最終成績が決まるのですが、実はそのどれもが100点満点で評価されず、20点満点で評価されるんです。
とみーは大学時代フランスのグランゼコールに2年間留学しており、その独特な成績の付け方にびっくりしました!
参考 グランゼコールというのは日本の大学と大学院の中間のような位置にある、フランス独自の教育機関です。
この記事を読むだけであれば、大学のようなものと思っていただいて差し支えないでしょう。
大学における成績の付け方
大学における成績の付け方について、日本とフランスの場合を比較して見ていきましょう。
日本の場合
日本の大学の場合、成績の付け方はおおよそ5段階で次のようになっていますよね。
大学によっては不合格が「F」ではなく「D」だったり、「S、A、B、C、F」というアルファベット表記ではなく「優上、優、良、可、不可」という漢字表記だったり、あるいはもっと細かく「S、A+、A、A-、…」のように分類されてたりすることもありますが、多くの場合はこのいずれかでしょう。
ベースは100点満点
最終的な成績は上のような評価になるものの、中間試験や期末試験は100点満点で付けられることが多いと思います。
小テストなどは、10点満点だったり50点満点だったり幅があります。
中間試験や小テストの有無、最終成績に含まれる割合は当然科目ごとに異なりますが、最後はすべてを100点満点に換算し、次のように対応付けることが多いはずです。
判定 | 評価 | 点数 |
---|---|---|
合格 | S | 90~100点 |
A | 80~89点 | |
B | 70~79点 | |
C | 60~69点 | |
不合格 | F | 59点以下 |
追試験や答案の返却は稀
日本の大学は追試験を行うことが少なく、試験の答案も返却されないことがほとんどでしょう。
そもそも試験が終われば夏休みや春休みなどの大型連休に入るため、そのような期間がないことが多いです。
そのため上の表では6割ほどできていれば単位が認定されることにはなっているものの、実際の問題ごとの配点などは不明で、少し不透明な部分が多いとも言えます。
また、不合格の科目は単位の認定がされないだけの場合もあれば、次年度に改めて再履修を行う必要がある場合もあります。
あまりに単位を落とし過ぎれば留年するケースもありますよね。
フランスの場合
一方のフランスでは、タイトルの通りすべてを20点満点で評価します。
中間試験や小テストだけでなく、例えばプレゼンやレポートなどの課題も20点満点中の○点という形で表記されます。
20点の中でどれくらい細かい小数点まで見るかは科目や先生によって異なりますが、とみーの経験上は0.5刻みが多かったものの、中には小数第5位まで出されることもありました。
例えば「11.22325 / 20」といった感じです。
成績評価はかなり辛口
20点満点中の半分である10点が単位認定のボーダーなので、6割程度が求められる日本と比べるとやや簡単な印象を受けますが、実際はむしろ逆で評価はかなり辛口です。まず、最高点の20点がもらえることは基本的にありません。
なぜなら、満点は減点できる要素が何1つない完璧を意味するからです。
もちろん理論上は試験で全問正解すれば20点をもらえますが、大学レベルの試験ともなると単純な○╳で正解できることはまずなく十分な論証が求められることが多いので、完璧な解答は非常に難しいです。
この傾向は、求められる解答が抽象的な文系寄りの科目で特に顕著です。
また、そもそも試験が難しく、満点を取れるような作りになっていないというのも影響しているので、イメージとしては日本の大学受験に近いです。
解ける問題で点数をなんとか集めて、その結果半分くらいに達すれば単位がもらえる、といった感じですね。
成績の具体的な評価
20点満点のフランスの成績は、具体的には以下のように評価されます。
判定 | 点数 | 評価 |
---|---|---|
合格 | 15~20点 | Excellent : 最優良 |
13~14,99…点 | Très Bien : 優良 | |
12~12,99…点 | Bien : 良 | |
11~11,99…点 | Satisfaisant : 十分 | |
10~10,99…点 | Passable : 可 | |
不合格 | 10点未満 | Insuffisant : 不十分 |
これはあくまで一例なので、学校が違えば同じ点数でも異なる評価が与えられる場合もありますが、おおまかなイメージを掴むのには十分でしょう。
注目すべきは1番良い評価の Excellent に5点分もの幅があるということです。これはその分だけ良い成績が取りやすくなっているというわけではなく、1番良い評価となる 15〜20 点がほぼ届かない点数となっており、実質的に 15 点のうち何点を取れるかになっているという方がむしろ正しいかもしれません。
そのため、13 点台に乗ればすでに凄いですし、15 点以上になれば余裕で自慢できるレベルです!
ほとんど目にする機会はありませんが、19 点や 20 点を取った人がいるとすれば、その人は科目に対して完璧 or 完璧に近い答えを出したと認められたということです。
追試験は当たり前
このように好成績を取るのは決して簡単なことではないため、10 点以上を取れない学生も当然少なくありません。そのため、多くの学校では通常の期末試験後に追試験用の日程が用意されています。
とみーも留学中は何度も追試を受けました…。
病気などの理由で期末試験を受けられなかった学生も、この追試の対象になります。
また、答案が返されるかどうかは先生の方針によって変わるものの、どの科目にも試験後に Consultation de Copies という採点後の答案を確認する機会が設けられており、ここで自分のできなかった部分を確認したり、先生から追試に向けてのアドバイスをもらったりすることができるのが一般的です。
中には採点後の答案をスキャンして、データとして返却する先生もいます。
追試が行われる詳しい日程は、期末試験の直後だったり、次の学期末だったりとあまりはっきり決まっていませんが、中には他の授業中と被るような時間に設定されることもあるので、その場合は授業を欠席して追試を受けることになります。
とみーの留学したグランゼコールでは日本のように時間割に空きがなく、スケジュールがほとんど詰まっていたため、追試専用の時間というのが取れないという事情があったようです。他の授業中以外には、すべての授業が終了した後の放課後(19時〜など)に行われることもありました。
追試を受けても点数が改善せず、複数の単位を落としてしまった場合に再履修したり留年したりする点は、日本と変わりありません。
参考 フランスでの追試事情に関しては、こちらの記事で詳しく解説してあります。
日本の大学の成績とわかりやすく比較するために、GPA についても見ておきましょう!
20点満点の成績とGPAとの対応
GPA は Grade Point Average の略で、大学での平均成績を0〜4の間で表す指標です。
大学によっては 4.3 を最高点にしたり、5 が最高だったり多少バリエーションはありますが、4 スケールのものが一般的でしょう。
日本の大学ではすでに大分浸透してきたように感じますが、まだ導入していない大学もあるようなので一応簡単にまとめておきます。
日本の大学のGPA
先ほどの「S、A、B、C、F」という評価が、GP(Grade Point) という点数にそれぞれ変換されます。
評価 | GP |
---|---|
S | 4.0 |
A | 3.0 |
B | 2.0 |
C | 1.0 |
F | 0.0 |
GPA は、(単位数 × GP)をすべての科目について計算し、足し合わせたものをすべての単位数の和で割ると求められます。
オール S の学生の GPA は 4.0 ですし、オール F の学生の GPA は 0.0 ですね。
すべての科目をギリギリ C で合格してきた学生は、GPA 1.0 ということになります。
フランスの大学・グランゼコールのGPA
対するフランスの 20 点満点の成績は、これまた色んな換算方法が存在するのですが、とみーの留学先では次のようになっていました。
点数 | 評価 | GP |
---|---|---|
14~20点 | A | 4.0 |
13~14,99…点 | A- | 3.7 |
12~12,99…点 | B+ | 3.3 |
11~11,99…点 | B | 3.0 |
10~10,99…点 | B- | 2.7 |
9~9,99…点 | C+ | 2.3 |
8~8,99…点 | C | 2.0 |
7~7,99…点 | C- | 1.7 |
7点未満 | F | 0.0 |
この表から分かる通り、すべての科目をギリギリで合格してきた学生の GPA は、日本の大学よりも高い 2.7 となります。
7点を取って単位を落としまくったとしても、GPA は 1.7 です。
また、20 点のうちのたった7割を取っただけで最高点 4.0 が付くことからも、評価が辛口な反面 GPA での点数は高めに付く傾向にあることがわかるでしょう。
留年1歩手前まで単位を落としまくったとみーでしたが、他の科目が 12 点台に乗ることが多かったおかげで GPA はまさかの 3 オーバーでした。
ただ、フランスで実際に GPA の話が出てくることはほとんどなく、あっても海外留学したいフランス人が自分の成績を考えるときに使うくらいです。多くの場合で 20 点分のいくつかという話になるので、フランス国内における GPA の重要度はあまり高くないというのが個人的に受けた印象です。
まとめ
今回は、フランスでの成績の付け方について解説しました。
- 日本:
- 100 点満点のテスト
- 最終成績は S・A・B・C・F のような表記(大学により細かい違いアリ)
- 追試は稀有
- フランス:
- すべてが 20 点満点
- 半分の合格点に届かず追試を受けるケースは至って普通
- 日本に比べると単位取得が難しいものの、GPA は高くつきやすい
日本とは大きく違っているのが面白いですね!
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