どうも!初めましての方は初めまして、初心者のWebサイト勉強のとみーです!
フランス語に限らずどんな言語を勉強する上でも、リスニング力は重要ですよね。
人と会話をするのもドラマなどのコンテンツを楽しむのも、聞き取れなければそこで終わってしまいます…。
そんなリスニングの勉強方法として有名なものに
ディクテ(ディクテーション)
というものがあります。ディクテというのは読み上げられたフランス語をそのまま文字に起こす練習のことです。
例えば「クロワッサン」と聞こえたら「croissant」と書き取る、といった感じです。
ディクテは聞き取り力だけでなく、文字に起こすために綴りや文法をしっかり理解しておく必要があるため、複数の力を伸ばすことの出来る効果の高い学習方法として知られています。
ただ、従来のディクテは「できないものはできない」感が強く、書き出せなかったものは最後にスクリプトを確認して
ここはこう発音されるのか…。
と覚えるしかないと考えられることが多いため、そもそもある程度の知識がなければ書き出せなかったものをひたすら覚えるだけになって効果が出にくいとも言われています。
しかし!
フランス語はその性質上、書き出せない部分があってもスクリプトを見る前にできることが多く、その結果他の言語に比べてディクテの効果がより高いのです。
カタカナを活用したディクテとは
アイデアはすごく単純で、通常のように聞き取れた部分はフランス語で書き取り、聞き取れなかった部分は聞こえた音をカタカナで書き出すというだけです。
もちろんフランス語の音をカタカナで完璧に表すのは不可能なので、自分にとって一番しっくりくるカタカナで表現すれば十分です。
ただし、聞き取れなかった部分はカタカナで書き出したらおしまいではなく、その後に
カタカナをフランス語に直す
という練習が加わります。
1度カタカナに書き起こしてからフランス語に直すメリット
ディクテを含む通常のリスニング練習では、
- 音を聞く
- 何の単語かを瞬時に判断
- 単語を頭の中で組み立て文を理解
という流れが一般的ですが、この ① と ② を同時に行う難易度がとても高いですよね。
もちろん知らない単語は聞き取れませんし、会話の速度に合わせて聞こえた音をどんどん判断していかなければいけないのは、特に初心者にとってはかなり厳しいです。
カタカナを活用したディクテの場合、聞き取れる部分は上と同じ流れを維持しつつも、聞き取れない部分では
- 音を聞く
- 聞こえた音をカタカナで記録しておく
- カタカナから何の単語かを時間をかけて判断
- 単語を頭の中で組み立て文を理解
という具合に「瞬時に判断しなければならない」部分の難易度を緩めることができ、しかも時間をかけて音と綴りの関係について考えられるので
聞き取れなかった部分はスクリプトで確認…。
だけでは終わらない学習をすることができます。
また、時間をかけてフランス語に直していくことで
という原因をはっきりさせることができるという点も見逃せません。
さらに、もう少し細かいことを言うとフランス語は発音と綴りが比較的一致している言語なので、知らない単語でも音から綴りを再現することが十分可能であり、これができるようになるとスクリプトがない音源でも勉強に使えるようになって学習の幅が大きく広がります。
ドラマや YouTube など、好きなコンテンツで勉強できるようになるのはモチベーション的に大事です!
それでは具体的に、カタカナを活用したディクテのやり方を見ていきましょう。
カタカナで書き出すときに気をつけること
まずは、聞き取れなかった部分をカタカナで書き出すときの注意点です。以下の3点に注意しましょう。
R と L の音を区別する
例えばカタカナで「ル」と表記してしまうと、R っぽい「ル」なのか L っぽい「ル」なのかがわかりません。
カタカナは後からフランス語に復元するので、後から自分で見返した時に区別できるように書き分けられればどんな表記でも構いませんが、とみーは次のように書き分けています。
この書き方だと一目瞭然ですね!
フランス語の場合 R が非常に独特な音なので、L と聞き分けが付かないというのはあまりないでしょう。
うまく表せるカタカナが見つからなければ複数の聞こえ方を残しておく
フランス語には日本語に存在しない音があるため、必ずしもカタカナでうまく表せるとは限りません。
何回も聞いているうちに聞こえ方が変わることもあるでしょう。
この場合は無理に1つで表記しようとせず、「カタカナにすればこういう風にも表せるかも」といった可能性があるものをまとめて書き残しましょう。例えばある部分が2通りに聞こえた・表せそうという場合、
マンジュ / モンジュ
のようにスラッシュ「/」などで区切るとわかりやすいです。
聞き取れない部分は全部カタカナで埋める
フランス語を聞き取るのは難しくても、聞こえた音をカタカナで書き起こすだけであれば簡単なはずです。
カタカナに書き起こすのさえ難しいくらいに速いという場合以外は、基本的に聞き取れない部分はすべてカタカナで埋めましょう。
最終的には
- フランス語で聞き取れた部分
- 聞き取れなくてカタカナで書いた部分
だけとなり、それ以外の空白はないようにします。
聞き取りが終わった後の例
例えばある文が読み上げられたときに、一部が聞き取れなかったら次のようになります。
Il est アププRエ / アップップRエ deux heures ジュマタン.
聞き取れなかった部分をカタカナからフランス語に変換する
聞き取りが終わった直後でスクリプトを見る前に行うこの過程が最重要です。
聞き取れなかったカタカナをフランス語に変換します。
カタカナをフランス語に!?そんなの無理に決まってるじゃん!!
と思う人がいるかもしれませんが、フランス語は発音と綴りの関係がしっかりしているので、どの音がどのような綴りに対応するのかが理解できれば音から綴りを再現するのは難しくありません。
音と綴りの対応をまとめて覚える必要はない
カタカナからフランス語の綴りに変換するためには、上の例で挙げたような
〇〇の音は△△という綴りに対応する
といったルールを事前に知っておかなければ難しいように思われますが、わざわざ「どの音がどの綴りに対応するか」を覚える必要はまったくありません。
なぜなら、新しい単語を覚える際にすでに身に付いているからです。
新しい単語を覚えるときには、綴りと読み方を確認して覚えていく人がほとんどだと思います。
「chocolat」は「ショコラ」か…。あっ、語尾の「t」は読まないのね。
「chou」は「シュー」。フランス語では「ウー」っていう音は「u」じゃなくて「ou」なのか。
英語は綴りと発音が一致していないことが多いため単語ごとの読み方を1つずつ覚えていくのが鉄板ですが、フランス語では綴りと発音が一致していることが多いので、どんな単語であっても原則として語尾の「t」は発音しませんし、「ou」は「ウー」と発音します。
そのため、普段意識することはあまりないかもしれませんが、
ある単語が読める時点でその単語中の綴りと発音の対応が理解できている
ので、改めて音と綴りの対応関係を覚える必要はないのです。
綴りが1つに絞り込めない場合
例えば「ジュ」という音に対応する綴りは、フランス語では「ge」や「je」、「du」など複数存在するので
「ジュ」って聞こえたからこの綴り!
と1つに決めることができない場合があります。
それとは逆に、「マンジュ」とも聞こえるし「モンジュ」とも聞こえる、といった具合にカタカナの表記が1つに定まらないから綴りも1つに決まらない、というケースもあるでしょう。
これはフランス語を無理やりカタカナで書き取る都合上、カタカナでは表しきれない細かい音が区別できなくなってしまうのが原因なので、カタカナを使う限りこれは仕方ありません。
そこで、実際にカタカナをフランス語に直すときは辞書を使いながら行います。
カタカナから類推できるフランス語にあらかじめアタリを付けておき、辞書を使ってそういう単語が実際に存在するかを調べます。
辞書を使っても見つけられない場合
辞書を使っても頑張ってカタカナに書き起こした音をフランス語に直せないという場合は少なくありません。
それは、リエゾンやアンシェヌマンによって音が繋がり、複数の単語が1つのかたまりのように聞こえてしまっているからです。
また、早口のせいで単純に単語同士の切れ目がわからないこともあるでしょう。
こういう場合は、辞書ではなく Google 検索を使います。
Google 検索では、間違った入力をすると関連する正しい検索ワードを「もしかして」として提案してくれます。
カタカナを一通りフランス語に直したものを Google 検索で検索し、ヒットした Web ページや「もしかして」などをうまく利用して正しい表現を見つけましょう。
すべてのカタカナをフランス語に置き換える
以上の辞書パート・Google 検索パートを必要に応じて使い分け、聞き取れなくてカタカナ表記した部分をすべてフランス語に変換させます。
そして、
というものが残ってしまったら、それがみなさんの本当の苦手部分です。
この場合、発音と綴りの対応以前にそもそもの音がしっかり聞き取れていない可能性があります。
音源が少し難しすぎるかもしれないので、スピードがゆっくりのものや、使われている語彙が簡単なものから挑戦してみましょう。
これは発音と綴りの対応の理解が不十分なだけで、聞き取り自体はできているパターンです。
これから新しい単語を覚えるときには、読み方と綴りの関係を意識してみましょう。特別複雑なルールはないので、少し意識し始めるだけでも効果があるはずです。
辞書や Google 検索を使ってカタカナからフランス語に直すことができた部分は、
- 実際の発音をそれっぽいカタカナで置き換えられた
→ 聞き取りできている - カタカナからフランス語の綴りに問題なく変換できた
→ 発音と綴りの対応も押さえられている
ということなので、実はあと一歩だったのです。
ディクテを続けていく中で ① と ② のコツがわかり、だんだん時間をかけずにできるようになっていき、ゆくゆくはカタカナを介さず会話の速度でできるようになっていくので、この部分は心配ありません!
まとめ
今回は、カタカナを活用して効果的にディクテを行う方法をご紹介しました。
- STEP 1音を聞く
- STEP 2聞き取れる部分は普通に書き取る
- STEP 3聞き取れなかった部分はカタカナで書き残す
- STEP 4カタカナの部分を辞書・Google 検索を使ってフランス語に直す
- STEP 5動詞の活用や性・数の一致に合わせて語末を調整する
- STEP 6スクリプトを確認して間違えた部分の原因を探り、次に繋げる
実はこの方法は、元々はディクテ用の練習として取り組んだわけではなく、語学学校で生活する中でどうにか先生の説明の中のわからない単語を吸収できないかと試行錯誤して初めてみた方法です。
授業中は辞書の使用が禁止されているので、調べられる機会は放課後にしかなかったのです。
せめてカタカナで書き残しておけば放課後にでも調べられるのではないかと思って初めてみたところ、音と綴りに対する感覚が身について思いの外効果が高かったので、ディクテにも応用してみたというのが背景でした。
ぜひ参考にしてみてください!
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