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フランス留学中の人やこれからフランスに行きたいという人の中には、在仏中にインターンをしたいと考える人もいるでしょう。
とみーの通っていた留学先では、すべての学生がインターン必須となっていました。
大学やグランゼコールによってはカリキュラムの中にインターン経験が含まれていて、単位を取得するためにはインターンを行わなければいけないというのも珍しくありません。
参考 グランゼコールって?という方は、こちらの記事が参考になります。
フランスでは学生がインターンを行う場合、それが学校のカリキュラムで指定された必須のものであっても、自主的に取り組むものであっても、Convention という書類を用意しなければなりません。
スタージュとは?
フランスではインターンシップのことを Stage(スタージュ)といいます。
日本のインターン
日本でインターンというと就活やスキルアップのために自主的に行うものというイメージがありますよね。
人によって期間は異なるものの、放課後や週末などの学外の時間でインターンをする場合がほとんどでしょう。
業務内容は IT や営業、企画、事務など多岐にわたります。
一方飲食店・コンビニなどの接客や運送・引越しなどの肉体労働は「インターン」として行うことは少なく、多くの人が「アルバイト」として行うはずです。
フランスのインターン:スタージュ
フランスの大学やグランゼコールでは単位取得・卒業のためにスタージュを義務化している場合も多く、スタージュが在籍中に学生として行うべき活動の1つになっています。
学業の隙間を縫って取り組む日本風のインターンとは異なり、
基本的に週5のフルタイム
で普通の従業員と同じように働きます。
そのために大学・グランゼコールは授業期間を短くして学生がインターンを行うための時間を捻出します。
必然的に夏休みに被ることも多いので、イメージとしてはサマーインターンに近いかもしれません。
日本との大きな違いは業務内容です。フランスでは学業の忙しさからアルバイトをする学生が非常に珍しく、そもそも日本のように学生によるアルバイトが盛んではありません。そのため、日本ではアルバイトとして考えられることの多い肉体労働や接客なども立派なスタージュとして考えられています。
スタージュに必要な Convention de Stage とは?
そんな学生によるスタージュが盛んなフランスですが、スタージュを始めるためには Convention de Stage という書類を作成しなければなりません。
「Convention de Stage」は「Convention」と短く表記・発音されることが多いです。
Convention は、スタージュ生が過酷な労働条件や不当な扱いを受けないことを確約するための学校・企業・学生本人の三者による契約書です。具体的には以下のような内容を決定します。
学生の安全を守るために必要な項目が定められます。
学校のカリキュラムで義務とされているかどうか、日本のように学生が個人的に学外活動として行うかどうかによらず、学生がスタージュを行う場合は
必ず Convention を作成し、学校を仲介して契約
を行います。
留学生かフランス人かというのも関係なく、すべての学生が行うスタージュに Convention が必要です。
Convention なしにスタージュを行う
Convention なしにスタージュを行うことは禁止されており、それを無視して行った場合不慮の事故や不足の事態が発生しても正当なサポートを受けることができなくなります。
要するに、何があっても自己責任になってしまうわけです。
Convention の存在はインターンを受け入れるような企業であれば当然知っているはずなので、Convention なしでできるインターンというのは真っ当な企業でない可能性が高く、疑ってかかるべきです。
Stage Conventionné について
Convention で契約を交わしたスタージュのことを Stage Conventionné と言います。
Convention で契約することを前提としている企業は、100 % ではないものの募集をかける際に Stage Conventionné と明記していることも少なくないので、スタージュ探しの際は参考にしてみましょう。
Convention ってどうやって用意するの?
Convention は契約書なので、学生が自ら作成することはありません。自分の所属する学校が作成するケースがほとんどです。
場合によっては企業側が作成することもありますが、どちらが作成しなければならないということはないため、これは企業や学校の方針に従うので問題ありません。
Convention は契約書なので、有効となるためには関係者の署名が必須です。少なくとも
の三者の署名は欠かせず、さらに
の2つが求められます。
必要とされる人の署名が1つでも欠けるとその Convention は無効のままで、インターンを始めることはできません。
スタージュを始める流れ
以上でスタージュに必要な Convention のことがわかったと思うので、最後にスタージュを始めるまでの大まかな流れをまとめてみましょう。
- STEP 1スタージュを見つける
何よりもまずスタージュを見つけなければ始まりません。
Indeed のような求人情報が集まるサイトで探すのが定番ですが、学校によっては案件がメールなどで共有されることもあります。
- STEP 2連絡を取って面接の日程を決定する
良さそうなスタージュが見つかれば、履歴書(CV)と志望動機書(Lettre de Motivation)を送って連絡を取ります。
連絡の中で面接の日程を決定しましょう。
- STEP 3面接をする
実際に面接をします。
とみー聞かれる内容は当然企業によって異なるので、ある程度ボキャブラリーなどを覚えてから挑みましょう。
- STEP 4受け入れが決まったら Convention を作成
面接後に受け入れが決まったら、Convention を誰が作成するかをきちんと確認しましょう。多くの場合は学校が作成するので、担当者に連絡をして Convention の作成をお願いすることになります。
- STEP 5自分が署名
Convention が出来上がったら、署名をします。
- STEP 6企業が署名
自分の署名が入った Convention を企業に送り、企業が署名したものを返却してもらいます。
とみー直接企業のもとに行ける場合は手渡し、そうでない場合はメールでやり取りすることになります。
- STEP 7学校が署名
最後に、学生本人と企業側の署名が入った Convention に学校が署名を入れ、Convention が完成します。
- STEP 8三者で署名済みの Convention を保有
企業に完成した Convention を送ってすべての署名が入った Convention を三者が保有する状態になれば、ようやくスタージュを始めることができます。
- STEP 9スタージュ開始
Convention 作成は時間がかかる
Convention は法的な効力を持つ書類なので、作成には時間がかかります。
今日お願いして明日に完成!というわけにはいきません。
また、フランスでの書類手続きは日本と比べるとかなりゆっくりなので、Convention が作成できたとしても
というプロセスに時間がかかることが予想されます。
特にスタージュを行う夏休み直前(6月、7月)の時期は Convention 作成のお願いをする学生が多いため、いっそう手続きに時間がかかります。
そのため、どんなに遅くてもスタージュ開始の1ヶ月以上前に Convention 作成の申請を行いましょう。学校の学生数や他の学生の申請具合によっては1ヶ月前に申請をしても間に合わない可能性があるので、理想は1ヶ月以上前にすべての署名が完了し、すでにスタージュを開始できる状態にしておくことです。
Convention が作成できた後はすぐに企業・学校の担当者へ連絡を行い、自分で連絡を滞らせないようにしなければなりません。
せっかく面接で受け入れてもらえることになったのに
Convention が完成せずにスタージュが始められなくなった…
なんてことにならないように、十分な余裕を持って準備しましょう!
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