どうも!初めましての方は初めまして、初心者のWebサイト勉強のとみーです!
フランスに語学留学を考えている人の中には
どの語学学校がいいんだろう…
と悩む人が多いと思います。留学エージェントがまとめた情報はあちらこちらで見受けられるものの、英語圏よりも人気度が低いので実際に通った人の声が少なく、あまり有益な情報が得られなかったりしまよね。
とみーは交換留学の留学先であるグランゼコールに通う下準備として Cavilam という語学学校に2ヶ月通いました。
グランゼコールというのは、フランス独自の教育機関で大学と大学院の間のような位置付けの学校です。
所属していた大学が指定していたのが Cavilam だったため他の語学学校と比較することはできませんでしたが、ここでの経験談がみなさんの語学学校選択の助けになればと思い、まとめてみることにしました!
ちなみに、Cavilam に向いている人はズバリ
それなりにお金はかかってもいいから質の高いフランス語教育を受けたい
という人です!
Cavilam の基本情報
Cavilam は、フランス中部の Vichy という街にある私立の語学学校です。
Vichy ってどんなところ?
Vichy は Cavilam の存在もあってフランス語を勉強しにやって来た学生が多い小さな街で、観光の面では温泉地としても知られています。
化粧品に詳しい人は、Vichy の温泉水から作られた化粧品を知っているかもしれません。
学生が多いためそれなりに活気はあるものの、都会のような喧騒さはないのでどちらかというと田舎の雰囲気があります。
治安はいい?
見知らぬ海外ということで気になる治安ですが、Vichy の治安はかなり良い方だと思います。
学生が多いことも影響していますが、何より Cavilam の授業でインタビューを行うために校外に出ることが頻繁にあるため、街の人も留学生慣れしており雰囲気は非常に良いです。
夜中に1人で出歩いたり貴重品を残して席を外したりするのはさすがに危険ですが、周りで身の危険を感じるような経験は2ヶ月でありませんでしたし、そういった話を耳にすることもありませんでした。
Cavilam の客観的評価
Cavilam は、Label Qualité FLE と Qualiopi というフランス政府による認定を2つも受けています。
Label Qualité FLE は単純な認定だけでなくいくつかの分野ごとに点数を付けるのですが、Cavilam はすべての分野で満点を取ったことが複数回あります。
フランス国内では非常に評価されている語学学校であると言えるでしょう。
国籍や年齢層など、どんな学生が集まるのか?
Cavilam には文字通り世界各地から学生が集まります。
どの国の人が特別多いということはなく、Cavilam が意図的にしているかは不明ですがクラスもうまい具合に特定の国籍の人が固まらないようになっていました。
日本人はかなり少ないですが、2ヶ月の間で東京大学や立教大学、慶應大学などの大学生・大学院生に数名出会いました。彼らは大学の語学研修プログラムや、とみーと同じようにフランスの大学・グランゼコールへ入るための準備として Cavilam に通っていたようです。
年齢は高校生くらいの若者からおじいちゃんおばあちゃん世代の方まで様々でしたが、割合としては若者が少し多めな印象を受けました。
授業プログラムと授業料
授業時間・1クラスあたりの人数は以下の通りです。
授業の形式としては、以下の3種類が存在します。
Cavilam にはフランス料理やフランス文化を学ぶ授業などもあるため全部は紹介しきれませんが、ここではフランス語学習のみに関するプログラムをご紹介します。
以下の情報はすべて1週間あたりです。
プログラム | 授業数 | 内容 | 授業料 |
---|---|---|---|
Programme combiné cours en groupe + cours particuliers | 24 | Classe 18回 + Cours particulier 6回 | 644 €[約 84,000円] |
Programme intensif | 26 | Classe 18回 + Atelier 8回 | 322 €[約 42,000円] |
Programme super intensif | 32 | Programme intensif に加えて Cours particulier が6回 | 744 €[約 96,000円] |
Programme “immersion” | 40 | Programme intensif に加えて Cours particulier が14回 | 1,300 €[約 160,000円] |
ちなみに、Programme intensif は受講期間が長くなれば多少の割引があります。
この他に、すでにB1以上のレベルを持っている人を対象とした1ヶ月 1,288 €[約 160,000円]の理系大学入学準備プログラムがあります。
この中で1番料金が低いのが Programme intensif で、とみーもこのプログラムを受講しました。
Cavilam 公式のパンフレットでも Programme intensif だけ色付して紹介されているので、おそらくこれがスタンダードなプログラムなのだと思います。
詳しいプログラムの中身については、下の方で詳しく扱います。
滞在費用
授業料とは別に、現地に住むための費用が必要になります。
料金は1人1泊あたりで1週間以上宿泊する場合です。
種類 | 名前 | 内容 | 料金 |
---|---|---|---|
Famille d’accueil | Chambre + petit-déjeuner | ホームステイ:朝食付き | 20.50 €[約 2,600円] |
Chambre + petit-déjeuner et dîner | ホームステイ:朝食・夕食付き | 27.50 €[約 3,500円] | |
Hébergement Premium “le 86” | 10〜3月の場合 | 家具付き 30 ㎡ の新築ワンルーム | 56.70 €[約 7,300円] |
4〜9月の場合 | 家具付き 30 ㎡ の新築ワンルーム | 64.80 €[約 8,300円] | |
Résidence étudiante | 学生寮(18歳以上) | 16.50 €[約 2,100円] | |
Studios | ワンルーム | 22.00 €[約 2,800円] |
語学力を上げるという点でも金銭的にも、ホームステイが1番適していると思います。
とみーは朝食・夕食付きのホームステイをしました。
出費を抑えるのであれば学生寮かワンルーム(Studios)になるようにも思えますが、その場合は食事を自分で用意することになるため、結果的にホームステイよりも高くなってしまうでしょう。
「Hébergement Premium “le 86”」はお金に余裕がある人向けの住まいといった感じです。
その他にかかる費用
まず、Cavilam への登録費用として 80 €[約 10,000 円] がかかります。
これは最初の1回限りです。
また、ホームステイ代には昼食代が含まれていないため、この分を考える必要があります。Cavilam には食堂があり、1食 3.30 €[約 420 円]で食べられるので平日はそこで済ませることになるでしょう。ただ、土日は食堂が開いていないため外食することになります。
フランスは日本と比べると外食がかなり高めの傾向にあり、普通に食事をするだけでも 15 €[2,000 円]くらいはかかってしまいます。
フランスは日本と比べると外食がかなり高めの傾向にあり、普通に食事をするだけでも 15 €[2,000 円]くらいはかかってしまいます。そのため、1週間あたり
3.30 € × 平日5日+15 € × 休日2日= 46.5 €[約 6,000 円]
くらいが最低でも昼食代としてかかってきます。
ファストフード(フランスだとケバブなど)であれば休日の出費をもう少し抑えることもできますが、毎週末ファストフードをお昼に食べ続けてもまったく気にならないという人はそこまで多くないでしょう。少なくともこれくらいはかかると見積もっておいた方がいいです。
1ヶ月あたりの総出費
以上を踏まえて、
で Cavilam に通ったとみーの出費は、
1ヶ月で大体 30 万円くらい
でした。
授業内容の詳細と実際に通って感じた良かった点・悪かった点
ここからはとみーが受講した Programme intensif の詳細と、そこで感じた良い点・悪い点に触れていきます。
入学時のレベル分けテスト
Programme intensif は月曜日から始まるのですが、1番最初の月曜の朝はレベル分けテストが行われます。
Cavilam ではフランス語のレベルを易しい順に
A1 → A2 → B1 → B2 → C1
として分け、さらに各レベルを
début A1 → A1 → fin A1 → A1+
のように細かく分けています。
テストはリスニング・リーディング・ライティングの3つの技能が試され、この結果に応じて授業のレベルが決まります。
とみーは入学の時点で仏検3級(A1)しか持っていなかったのですが、「fin A2」という実力以上のレベルが割り当てられました。
実際に授業を受けた実感としては、授業のレベルは今現在の自分のレベルを表しているというよりは、これから直近に目指すべきレベルという感じが強かったです。
1週間のスケジュール
Programme intensif では
だと先ほどの表で説明しましたが、1週間のスケジュールは以下のような感じでした。
時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
---|---|---|---|---|---|
8:45 〜 10:15 | なし | Classe | Classe | Classe | Classe |
10:15 〜 10:30 | 休憩 | ||||
10:30 〜 12:00 | Classe | Classe | Classe | Classe | |
12:00 〜 14:00 | お昼 | ||||
14:00 〜 15:30 | Classe | Atelier | Atelier | Atelier | Atelier |
公式の情報だと1授業45分ということにはなっていたものの、実際は1時間30分を1授業として扱っていました。全部の時間は変わらないので時間の使い方が異なるというだけですが、正確には
ということになります。
授業について
Cavilam の授業は Programme intensif の場合 Classe と Atelier の2種類がありますが、どちらも共通した特徴があります。
Atelier は特定のテーマに関する力を鍛えることをメインにしているため、レベル分けは Classe の場合よりもややアバウトです。
例えば、 Classe は A2だけど Atelier は B1といったようにズレが生じることもあります。
聞き取り問題を除いて1人で取り組むような課題は基本的になく、2〜5人程度のグループでディスカッションをしたり、ゲームをしたりします。
聞き取り問題を除いて1人で取り組むような課題は基本的になく、2〜5人程度のグループでディスカッションをしたり、ゲームをしたりします。
Classe について
Classe は特定のテーマにこだわらず色んな能力を満遍なく伸ばすための授業ですが、基本的には先生や他の学生との会話がメインなので、特にリスニングとスピーキングに焦点が当てられています。
もちろん文法の勉強もありますが、紙とペンで問題を解くようなことはあまりなく、それも会話の中で使いながら習得するような形で進行します。
会話中心の授業といっても単調な会話が長々と続くわけではなく、プリントを使って聞き取り問題に取り組んだり、書かれている内容を題材にして会話を膨らませたりと、バラエティーは非常に豊富でした。
あまり多くはありませんでしたが、聞き取り問題に DELF などのテストを題材に使うこともありました。
レベルが上がるペースは個人差があると思いますが、とみーは2ヶ月で fin A2から B1+ になりました。ただし、これはあくまで Cavilam の Classe のレベルであって、グランゼコール入学時に計った実際のフランス語力は B1でした。
Atelier について
Atelier は以下のテーマの中から1つを選択します。
とみーはとにかく話せるようになりたかったので、2ヶ月間ずっと Communication orale を受講していました。
Atelier のテーマは1度選んでしまったからといって完全に固定というわけではなく、こちらも相談すれば変更の対応をしてもらえます。
とみーの選択した Communication orale はとにかくスピーキングに焦点を当て、正しいフランス語が話せるようになることを目指す授業でした。プリントはほとんど使用しませんでしたが、
単純未来形を自然な会話の流れで使えるようにするために、今から15分間それぞれの今週末の予定について話しましょう。
といった感じに使用する表現・文法・時制に指定が入り、それに従って会話をするという流れが多かったです。Communication orale の場合は新しいことを習うというよりも、すでに使い方を知っている表現を会話の速度でどんどん引き出せるように訓練するといった感じでした。
とみーの Atelier は、2ヶ月で A2から B1になりました。
放課後の Programme Culturel について
Cavilam では、フランス文化に触れるための Programme Culturel というイベントが毎日放課後に開催されています。
イベントによっては土日に開催されるものもあります。
イベントの内容は日替わり・週替わりですが、典型的なものに以下のようなイベントがあります。
中には有料のものもありますが、Cavilam のスタッフの人が主催しているため1人ではなかなかハードルが高い遠足・観光なども気軽にでき、一緒に参加した他の学生と仲良くなることもできます。
とみーはお金にあまり余裕がなかったので無料のイベントにばかり参加していましたが、それでも十分に楽しめました。
毎週開催されている朝食会は無料で美味しいクロワッサンやパンオショコラ、コーヒーが楽しめる上に色んな人とも知り合えるので、特におすすめです!
スタッフの対応
海外では日本と同じ対応を求めてはいけないなどとよく言いますが、Cavilam の先生をはじめとするスタッフはそんな印象を感じさせないくらい対応が非常に丁寧でした。
授業のレベル変更の相談だけでなく、ホストファミリーとの間に問題が生じた場合(ペットアレルギーや喫煙の有無など)も柔軟に対応してもらえます。
とみーは Cavilam 在籍中の土日を使ってパリに旅行に行き、1泊ホストファミリーの家に泊まらない日があったのですが、泊まってもいなく、ご飯も用意してもらっていない日も宿泊費を払わなければいけないのかと相談したところ、Cavilam がホストファミリーにその日の宿泊費を免除するように掛け合ってくれました。
何より拙いフランス語でもきちんと聞こうとしてくれる姿勢がフランス語勉強中の身としてとても助かりました。
うんうん、なるほど。フランス語とってもお上手ですね、心配事はよくわかりました。
細かい気配りですが、小さな相談事1つとってもまず「あなたのフランス語はしっかり伝わっている」と自信を持たせるところから始めてくれる人も多かったです。
総評
授業のレベルの成長具合ではなく、実際のテストで測った2ヶ月での成長具合は次のような感じでした。
2ヶ月の成長具合
A1は初学者、B1は中級者といったレベルなので、2ヶ月で十分に成長することができました。
どんな人におすすめできるか?
スタッフの対応や気遣い、サービスは申し分なく、授業の質も多少の不満はあったものの期待以上で、さらには Programme Culturel で(追加料金なしで)フランス文化に触れることができたので、全体的に非常に充実した語学学校生活を送ることができました。
Cavilam に通って良かったとおすすめできるレベルでした!
その証拠に Cavilam での学習に満足した結果、後にリピートしてもっと上のレベルを目指して通い直す人もおり、Cavilam に通うのが2回目という人も実際にとみーの周りにいました。
ただし、月30万円というのは決して安い金額ではないので、その部分が大きな悩みどころになってしまう点はやはり否めません。そのため冒頭で述べた
それなりにお金はかかってもいいから質の高いフランス語教育を受けたい
という人へおすすめ、というのが結論になります。
ぜひみなさんの語学学校選びの参考にしてみてください!
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