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留学を志す上でどうしても直面するのが
お金の問題
ですよね。
物価が違うから日本で生活する以上にお金がかかる…
というのもそうなのですが、フランスの場合は
のいずれかによって1ヶ月 615 € 以上支払えることを証明できなければ、そもそも経済力不十分として長期学生ビザの申請を受け付けてもらえません。
そのため多くの人が奨学金を探すことになるでしょう。
フランス政府給費留学生制度(BGF)-別名「フランス政府奨学金」
フランス政府給費留学生制度(BGF:Bourses du Gouvernement Français)は、フランスに学業・研究目的で留学する人を対象とした奨学金制度です。
「フランス政府」の名前がある通り、Campus France というフランス政府の機関から奨学金が支給されます。
日本で奨学金というと返済が必要な貸付型のものが多いですが、フランス政府給費留学生制度は返済の必要がない給費型の奨学金です。
フランス政府給費留学生制度(BGF)の給費内容
細かい給費内容は専攻(理系 or 文系)と学位(学士・修士 or 博士)により異なりますが、共通して以下の特典を受ける事ができます。
CVEC 負担金というのは留学先の大学・グランゼコールへ学生を登録するために必要な費用で、年間 90 € かかります。
Campus France の Etudes en France 登録料というのは、長期学生ビザを申請する前に行う手続きにかかる費用で、
というように料金が決められています。また、長期学生ビザの申請自体にも料金がかかり、こちらは 50 € となっています。
BGF の奨学金を受けることができれば、これらの費用は全部タダになります!
さらに、本来であればビザの申請にあたって Campus France と面接を行わなければならないのですが、BGF の奨学生は面接が免除されます。
つまり、
ビザの申請・取得に関する諸々の手続きで特別待遇を受けることができる
のです。
日本-フランス間の往復航空券(エコノミークラス)はその名の通り、日本からフランスに行くための飛行機と、留学が終わって帰国するための飛行機を手配してくれます。
公式の情報ではないものの、空港から留学先まで TGV に乗って行く必要があったとみーには空港からの TGV まで用意がありました。
航空券はそれこそ数十万円の出費となってしまうため、非常にありがたい特典です。
学士・修士向けの奨学金給付額
学士・修士の場合、文系・理系によらず奨学金は毎月 700 € 給付されます。
ビザの申請に必要な最低の経済力が月に 615 € 以上の支払いに対応できるレベルなので、この奨学金を受けることができればそれだけで金銭問題は解決です。
とみーが受給していたのはこの「学士・修士向け」の奨学金でした。
実際に生活してみてかかった金額は1ヶ月で 600 € 弱だったので、700 € あれば贅沢をしなければ問題なくやっていけるでしょう。
ただし、給費期間が10ヶ月(新学期が開始する9月から翌年6月まで)しかないので、2年以上留学する場合は注意が必要です。
7月、8月は夏休みなので留学期間が1年であれば問題ありません。
2年目も給費を受けたい場合は延長申請を行い、審査に合格しなければなりません。
審査に通ると、社会保険給費のみが延長されます。
奨学金は延長できないのが残念な点です。。。
審査によって、
のいずれかとなります。
とみーは幸い延長申請が通り、1年目とまったく同じ給費を受けながら過ごすことができましたが、周りの奨学生には「社会保険給費のみの延長」になった人が多い印象です。
博士向けの奨学金給付額
博士の場合、文系・理系によらず奨学金は毎月 1,415 € 給付されます。
学士・修士向けの奨学金とは異なり、給費期間は文系と理系で異なります。
延長申請は学士・修士向けと同様に、文系の場合は延長申請を行い審査に受かれば社会保険給費のみ延長することができます。
理系博士課程の場合は滞在期間分が受給できる仕組みなので、そもそも延長申請が必要ありません。
フランス政府給費留学生の身分保障と奨学金制度の資格化
上記のような単なる奨学金に留まらない特典を受けることができるのは、奨学金受給者に「フランス政府給費留学生」としての身分が保障されるからです。
つまり、フランス政府給費留学生制度は単純な奨学金制度ではなく、事実上の資格のようになっているのです。
昔と比べると資格としての特権的な価値は薄れたとも言われていますが、「フランス政府からお金を貰いながら留学をした」という事実は依然として大きなアピールポイントになるはずです。
フランス政府給費留学生制度(BGF)の審査方法
以上のように魅力的なフランス政府給費留学生制度ですが、受給を認められるためには2段階の審査に合格しなければなりません。
フランス政府給費留学生制度への出願をオンラインで行い、提出した書類をもとに第1次選考が行われ、第1次選考に合格した人だけが第2次選考に進めるという流れです。
出願・審査のスケジュール
2022年度の出願・審査のスケジュールは次の通りです。
日付 | 出願・審査の流れ |
---|---|
2021年9月20日 〜 2022年11月20日 | オンライン登録期間 |
2022年12月 | 第1次選考:書類審査 |
2022年1月上旬 | 書類選考結果通知 |
2022年1月下旬 | 第2次選考:面接試験 |
2022年2月中旬 | 合格発表 |
奨学金の申請をする際に気をつけなければならないのが出願のタイミングです。
出願できるようになるのは実際に留学するおおよそ1年前ですが、書類の準備や計画作成、情報収集に必要な時間を考慮すると
実際の留学の1年半くらい前から
動き出さなければ間に合いません。
申請直前の7月、8月は夏休みなので大学が閉まってしまい、必要な情報を問い合わせることができなくなってしまいます。
というのも、フランス政府給費留学生制度の門戸は決して広くはなく、きちんと時間をかけて取り組まなければ合格まで辿り着けないからです。
出願に必要な書類
出願に必要な書類は以下の通りです。
推薦状は、研究室やゼミの指導教員による推薦状です。
研究目的ではなく勉強目的の留学だったとみーは研究室にもゼミにも所属していなかったため、会ったこともない学科の担当教員に頼み込み、面談を重ねて頑張って書いてもらいました。
受入承諾書は、留学希望先の学校がみなさんの受け入れを承諾していることを証明する書類です。書類選考の時期がかなり早く、出願の際に入手が間に合わないことも多いので、後から提出することが可能です。
文系は M2 と Doctorat 課程への進学者のみが受入承諾書を提出します。
第1次選考:書類審査のポイント
文系の場合、フランス語力に最低基準が設定されています。
ただし、留学先で英語を用いる留学に対する明確な最低基準は設定されていません。
審査は経歴と研究計画、語学力の3点をもとに、50点満点で行われます。
「フランスのヨーロッパ・外務省の優先分野と留学計画の合致度」というのは、フランスが推し進めたい学問分野に近い内容を留学先で学ぼうとしている出願者を優先するための項目です。具体的には、
の7つが優先分野となっています。
語学力については、明確な点数の付け方が以下のように公表されています。
点数 | DELF/DALF/TCF DAP | TCF |
---|---|---|
10 | C2 | - |
9 | C1 | C2 |
8 | B2 | C1 |
7 | B1 | B2 |
6 | - | B1 |
理系の場合、語学力を証明するための書類は提出しないので、語学力も研究計画書から評価されることになります。
各項目ごとの厳密な点数化の方法は公表されていませんが、これは評価の対象がほとんど研究計画書だからでしょう。
細かい基準はわからないものの、文系と同様に「学術的価値、留学計画の準備度、計画書作成の仕上がり」といった項目に基づいて評価される可能性は高いと言えます。
参考 書類審査で重要となる留学・研究計画書の書き方は、こちらの記事で実際にとみーが提出した計画書とともに解説しています。
留学・研究計画書を書くにあたって文法やスペルのミスはもちろんのこと、不自然な表現は減点に繋がるため絶対に避けたいです。
当然提出前にネイティブの先生にチェックをしてもらうべきですが、先生は間違いを直すことはできてもみなさんの言葉を変えることはできないため、ベストな表現を提案してくれる保証はありません。
この本は226もの表現パターンを取り上げているため、自分の計画書に相応しい表現を見つけるのにおすすめです!
第2次選考:面接審査のポイント
第1次選考に合格すると、第2次選考に進むことができます。
第2次選考は
という構成の面接試験で、文系・理系によらず以下の構成のプレゼン資料を用意することが推奨されています。
ただし、第1次選考合格後に送られてくるメールには
- 自己紹介(1ページ)
- 研究テーマ、研究意義(1~2ページ)
- 留学目的、モチベーション、学習・研究に期待される成果(1ページ)
- その他(1ページ)
という構成例が紹介されていたので、厳密なものではなく大まかな指針と捉える方がいいでしょう。
とみーはメールで送られてきた構成に従ってスライドを作り、合格しました。
試験の詳細は、文系と理系で異なっています。
面接の言語は、留学後に使う予定の言語によって決まります。
2021年度の募集要項には「フランス語で面接した受験者を優先する」と明言されていましたが、今年度から英語のプログラム参加者がフランス語で面接する選択肢はなくなったようなので、負担は減ったと言えるでしょう。
審査基準は志望動機、コミュニケーション能力、学業・研究の総合的なレベルと将来の進路との一貫性という3点に基づいて、30点満点で評価されます。
面接の言語はフランス語と英語のどちらかを選択できます。
とみーはフランス語でプレゼンを行いましたが、質疑応答の時になって
質疑応答は英語がいいですか?
と提案されたので、プレゼンはフランス語、質疑応答は英語というように切り替えることができました。
研究計画書は第1次審査で評価されますが、第2次審査でも評価の対象となる場合があります。実際にとみーは、
研究計画書のこれはどういうことか詳しく説明していただけますか?
という質問を受けました。
プレゼン対策としておすすめなのがこちらの本です。
プレゼンの中身自体は自分で繰り返し練習しなければいけませんが、重要なのは問いかけられた質問にしっかり答えられるかです。この本は日常会話の習得に向けたものですが、自然な受け答え方や間の取り方は学ぶものが多く、音声も多く確認できる点からプレゼン対策としても十分に使える一冊です。
フランス政府給費留学生制度(BGF)に合格すると
2段階の選考に合格すると、晴れてフランス政府給費留学生となることができます。
合格後の4月ごろにはフランス大使館の祝賀会に招待され、同期の奨学生や面接を担当した専門家の方々と交流することができます。
祝賀会では美味しいご飯が食べれるだけでなく、色んなバックグラウンドの人と知り合える貴重な機会です。
プレゼンの率直な感想を面接官の方に直接聞くことができたのは、非常にありがたかったです。
また、実際にフランスに到着した後も Campus France から手厚いサポートを受けることができ、Activités Culturelles という各国のフランス政府奨学金留学生を対象とした旅行や料理教室といったアクティビティへ参加することができます。
料金も通常と比べて安く設定されているので、
勉強以外にも文化的な体験をフランスでしたい!
という人にとってはぜひおすすめの機会です!
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