タグは記事の作成時にうまく割り当てることで、ユーザーにとってのサイトの使いやすさを向上させることができる重要な要素の1つです!
WordPressのタグとは
Webサイトを運営する上でのメインの活動は、記事を書くことです。
世の中にまだ存在しない自分だけの新しい情報を提供したり、すでに存在するけどわかりにくい情報をよりわかりやすくまとめたりしていくのです。
当然ですが、記事を作成していくと記事数が増えていきます。
記事数が増えるとユーザーが目当ての記事を見つけにくくなる
そして、記事数が増えていくとサイトのボリュームが増えるため、
- どういう内容がどの記事にあるのか
- どの記事がどこにあるのか
ということがユーザーにとってわかりにくくなってきます。
次のサイトの例を考えてみましょう。
「野球のルール」、「テニスの試合時間」、「サッカーの人数」、「ラグビーの人数」、「ラグビーのルール」、「野球の人数」、「テニスボールの大きさ」、「サッカーのルール」という8つの記事があります。
この「記事一覧」では異なるスポーツの記事が入り乱れているため、ごちゃごちゃしている感じが否めません。例えば、
ラグビーの情報だけ知りたいんだけどな。。。
というユーザーがいたとすると、1つ1つの記事名を見てラグビーに関係があるかを確認しなければいけないため、使い勝手が非常に悪いです。
また、今回は記事のタイトルがどれもシンプルなので名前から内容を想像することができますが、人によっては注目を集めるために少し凝った名前を付けることも多いでしょう。そういう場合には記事名だけでは内容がわからず、いちいち記事を開いて内容を確認する必要があるため、とてもじゃないですが100記事や200記事の中から目当ての記事かどうかを1つずつ確認するユーザーはまずいません。
目当ての記事がすぐに見つけられないと、そのユーザーはみなさんのサイトを離れ、他のサイトに行ってしまいます。
WordPressのカテゴリーとタグ
そこで、WordPressでは記事を作成するときに「その記事がどんな内容の記事か」ということをわかりやすく整理するために、記事にカテゴリーとタグというものを設定できるようになっています。
カテゴリー
まずはカテゴリーについて簡単に理解しましょう。
先ほどのサイト例では、すべての記事が一覧として整理されずにただ並べられていただけだったため、使い勝手が悪かったのです。それではここで、各記事をスポーツごとにグループ分けしてみたらどうなるでしょうか。
このようにグループ分けをすると、
- 野球の記事を見たい人:「野球」グループの記事だけ
- テニスの記事を見たい人:「テニス」グループの記事だけ
- ラグビーの記事を見たい人:「ラグビー」グループの記事だけ
- サッカーの記事を見たい人:「サッカー」グループの記事だけ
という具合に特定の記事だけに集中すれば良くなり、ユーザーが余計な記事を確認する手間を省くことができます。
使いやすさが大きく改善しましたね!
このときの「野球」や「テニス」、「ラグビー」、「サッカー」などの、グループ分けをしたときのグループ名のことをWordPressのカテゴリーといいます。
例えば、「サッカーのルール」の記事には「サッカー」カテゴリーが設定されている、ということになります。
グループ分けをして記事を整理することの重要性はなんとなく理解できたと思います。しかし、ここで1つの疑問が浮かび上がります。
カテゴリーによるグループ分けの注意点
もしかしたら、各スポーツごとの試合人数などを比較して見たいというユーザーがいるかもしれません。
上のグループ分けでは、特定のスポーツの情報に注目したい人にとっては都合が良いのですが、異なるスポーツを比較したい人にとっては実は使い勝手が悪いのです。
スポーツごとの比較をしたいユーザーは、次のようなグループ分けが欲しいはずです。
このように、欲しいグループ分けというのはユーザーごとに異なるため、それぞれに応じた対応が必要です。つまり、グループ分けは決して1通りではないということです。
ここで、
じゃあこのグループ分けも考慮に入れて、例えば「サッカーのルール」の記事には「試合中のルール」って感じにカテゴリーを設定すれば良さそう!
と考えた方がいるかもしれません。
つまり、「サッカーのルール」に
- 「サッカー」カテゴリー
- 「試合中のルール」カテゴリー
の2つを割り当てるということですね。
これは確かに良い考えですし、できないことはないのですが、WordPressで1つの記事に複数のカテゴリーを割り当てることは通常しません。
これには色々な理由があるのですが、主に「ユーザーにとってわかりにくい」からです。
ユーザーは「サッカー」と「試合中のルール」という異なる2つのカテゴリーがあることがわかります。
しかし、いざそれぞれのカテゴリー内の記事を見てみると「サッカーのルール」という同じ名前の記事があることに気づきます。
2つの違う場所で同じ名前の記事を見つけると、ユーザーは
- 名前が同じだけで記事の内容は違うのかな?
- あれ、見てみたけど内容がまったく同じ?
- じゃあこのカテゴリーって何が違うの?
- ただコンテンツが充実してないだけ?
など、色んな疑問を持ってしまいます。もし仮に
違うカテゴリーに同じ記事があることもあり得るんだなあ
と理解してくれたとしても、その場合は同じ記事を開かないように毎回読んだ記事の名前を覚えておかなければいけなくなり、ユーザーの負担になってしまうのです。
さらに詳しい情報が知りたい方は、下の記事もあわせてご覧ください。
カテゴリーを複数割り当てる代わりに使用するのがタグです。
タグ
タグはカテゴリーと同じように記事を分類するためのものです。
複数のグループ分けを実現したい場合、実際にはグループ分けの間に優先順位が存在することが多いでしょう。先ほどの例では、
- 特定のスポーツの情報を知りたいユーザー向けのグループ分け
- 異なるスポーツに関する特定の情報(ルールや人数など)を比較したいユーザー向けのグループ分け
を考えましたが、どちらのユーザーの方が多いでしょうか?
一般的には「特定のスポーツの情報を知りたいユーザー」の方が多いのではないでしょうか。
こういう場合には、一番メインにしたいグループ分けをカテゴリーに設定し、それ以外のグループ分けをタグに設定します。
つまり、普段はカテゴリーで作った構造を見せておき、必要があればタグ(マーク)ごとにまとめられるという仕組みにするのです。
もし「試合中のルール」に関する記事だけを見たいという場合は、緑色のタグが付いている記事だけを集めれば済みます。
なんとなくカテゴリーのイメージが掴めてきたでしょうか?
ここで一旦簡単にまとめておきましょう。
ちなみにGoogleは次のように発表しているため、カテゴリーとタグは両方とも「コンテンツを論理的なかたまりに分ける」という点で常に重要です。
トピックの始まりと終わりをユーザーが判断しやすいようにコンテンツを整理するのが常に効果的です。コンテンツを論理的なかたまりに分けると、ユーザーが必要なコンテンツを迅速に見つけやすくなります。
Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」読者が求めているものを把握して提供する-トピックを明快に整理する
それでは、もう少しタグについて深く見ていきましょう。
タグには階層構造がない
今回はタグについての回ではありますが、非常に紛らわしいのでカテゴリーとの違いを整理しながら見ていきましょう。
カテゴリーの階層構造
カテゴリーには親や子、孫という考え方があります。
簡単に言ってしまえば、カテゴリーの中にカテゴリーを作ることができるのです。
例えばこの例では、
- 「スポーツ」カテゴリーの中に「サッカー」カテゴリー
- 「サッカー」カテゴリーの中に「ルール違反」カテゴリー
- 「レシピ」カテゴリーの中に「お菓子」カテゴリー
のようになっています。
「ルール違反」カテゴリーはその名前だけだとよく意味がわかりませんが、「サッカー」カテゴリーの中にあるので、サッカーのルール違反に関するカテゴリーだとわかります。
もちろん「サッカーのルール違反」というカテゴリーを1つ作っても構わないのですが、そうするとサッカーに関する他の記事とは別のカテゴリーになってしまうため、検索エンジンに関連性がないと評価されてしまう可能性があります。
この点に関してもう少し理解を深めるために、もう1つ例を見ておきましょう。
カテゴリーとWebサイトの構造
カテゴリーは記事を関連度の高いものごとに分類するとともに、それに合わせてWebサイトの構造を作ります。次の図はその様子を直感的に表しています。
この例では、
- 「スポーツ」カテゴリーの中に「野球」カテゴリーと「テニス」カテゴリー
- 「アプリ」カテゴリーの中に「Android」カテゴリーと「iOS」カテゴリー
があります。
「スポーツ」カテゴリーがあるおかげで、「野球」と「テニス」がスポーツに関連していることがわかります。
ここで、もしカテゴリーの親子関係(階層性)がない場合は次のようになります。
「スポーツ」カテゴリーと「アプリ」カテゴリーがなくなりましたね。
「スポーツ」カテゴリーがなくなってしまったため、「野球」と「テニス」がスポーツであることがわからなくなりました。同じことは「Android」と「iOS」についても言えて、アプリに関連していることがわからなくなりました。
上の図からわかることは、「野球」と「テニス」は「野球」と「Android」と同じくらい関連している(=つまり同じくらい関連がない)ということだけです。
階層性がある方とない方のどちらがわかりやすいかと言えば、間違いなくある方でしょう。
サイトの構造はわかりやすい方がいいため、カテゴリーを考えるときにはこうしたトピックごとの関わりを考慮に入れる必要があるのです。
サイトの構造は1度出来上がってしまうと変更するのが大変なので、カテゴリーの親子関係を変えることは基本的には避けるべきです。
参考 カテゴリーに関する詳しい情報は、こちらの記事で解説してあります。
タグとWebサイトの構造
これに対して、タグには親や子などの関係はありません。
タグの中のタグというものは存在しません。
また、カテゴリーとは違ってWebサイトの構造を直接決定づけることもありません。
タグは、必要なときに記事をまとめられるようにしておくだけです。
直接Webサイトの構造に影響を与えることなく関連度の高い記事をまとめられるというのがポイントです。
カテゴリーとは違って構造を作らないため、サイトの成長に合わせて柔軟に変更することができます。
ここまでをまとめましょう。
タグは何個でも付けられる
カテゴリーとタグには、1つの記事に設定できる個数にも違いがあります。
カテゴリーは必ず記事に設定しなければなりませんが、上でも説明した通り、1つの記事に対してカテゴリーは原則1つしか設定しません。それに対しタグは、付けてもいいし付けなくても構いません。
また、付ける場合の上限はないため好きなだけ付ける事ができます。
例えば商品紹介サイトなどでは複数のタグを付けると効果的な場合があります。
このようにすれば価格帯や購入できる場所、ブランドごとに記事をまとめる事ができて非常に便利です。
これとは逆に、記事によってはタグを一切つける必要がない場合もあるでしょう。
例えばこの場合は、「ご報告」カテゴリーに分類してあるのでそれ以上タグを付けて分類する必要がありません。
そのため、タグは手軽に使える「第2、第3、第4、…のカテゴリー」として考えておくと良いでしょう。
以上を踏まえてタグの決め方を考えていきましょう。
タグの決め方
タグの決め方は基本的にはカテゴリーの決め方と変わりません。
また、カテゴリーの階層が深くなりすぎてしまいそうな場合にもタグを活用しましょう。
参考 深くしすぎてはいけない理由やその他の解決方法についてはこちらの記事をご覧ください。
もちろんどの記事に何のタグを割り当てるかはサイト自体のジャンルや記事の構成、割合などによって異なります。
しかし、どんなサイトであってもタグを決めるにあたって気をつけなければいけないポイントがいくつかあるため、それらを押さえておきましょう。
カテゴリーと同じ名前のタグは作らない
ここまでの説明を読んでいただけた方はすでに理解していただけたと思いますが、カテゴリーもタグも記事を分類するためのものです。
そのため、同じ名前のカテゴリーとタグを別々で使うのはまったく意味がありません。
「『WordPress(カテゴリー)』の記事を見たいですか?それとも『WordPress(タグ)』の記事を見たいですか?」という質問に意味がないことは明らかですよね。
むしろ、
同じ名前のものが2つあるけど何か違うのかな…?
とユーザーを惑わせ、一覧ページを開いてみたら
あれ?やっぱり同じっぽい…?何のために2つもあるんだ…??
とがっかりさせてしまうだけなので、意味がないどころかマイナスな印象を与えてしまう原因にもなります。
上で見たようにカテゴリーとタグはお互いに微妙に異なる役割を持っていますが、記事をまとめるという点では同じなので、決してこのミスは犯さないようにしましょう。
タグを付けすぎない
タグはカテゴリーとは違ってサイトの構造をあまり意識せずに付けられるため、細かい分類を行おうとしてたくさんタグを付けがちなのですが、付けすぎは良くありません。
関連記事が見つけにくくなる
1つ目の理由は、ユーザーが関連する記事を探すのが難しくなってしまうからです。
例えば「WordPressを始めよう」という記事に次のようなタグが付いていたとしましょう。
- WordPress
- WordPress始め方
- WordPress初心者
- Webサイト始め方
- ブログ
- ホームページ
- サーバー
- ドメイン
- 収益化
- 脱サラ
- 副業
- HTML
この記事の想定読者はWordPressを始めたい人です。
タグが10個も20個もあったらとてもじゃないですけど探しきれません。
「WordPress始め方」と「Webサイト始め方」もおそらくニュアンスは違うのかもしれませんが、初めて訪れたユーザーがその違いを察するのはまず無理でしょう。
細かすぎる分類は、馴染みがない人にとっては意味をなさないのです。
タグ一覧ページがスカスカになりがち
2つ目の理由は、たくさんタグを作るとその分だけ「タグあたりの記事数」が少なくなるからです。
細かく記事を分けるので当然ですね。
これは、最悪の場合サイトの評価を下げることに繋がってしまいます。
タグの個数
タグの個数の目安は、3個程度、多くても5個までと言われています。
この数字には特に根拠があるわけではなく、多くのサイト運営者が経験的に3個程度が良いと感じているというだけです。
とはいえタグを付けすぎることが良くないのは上で説明した通りなので、ここはベテランの勘にしたがっておくのが賢いのかもしれません。
タグの設定方法
実際の各記事へのタグ設定は、WordPressの記事編集画面で行います。
また、各タグの詳しい設定は、管理画面のサイドメニューにある「投稿」のタグから行うことができます。
参考 詳しい設定方法に関しては、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
- WordPressでは、記事をわかりやすく分類するためにカテゴリーとタグというグループを作ります。
- カテゴリーには親子関係を持たせることができ、それによりサイトの構造を決定付けます。
- タグには親子関係がなく、サイトの構造には直接影響しません。
- カテゴリーは1記事1つが原則なので、2つ目以降のグループ分けにタグを使いましょう。
- カテゴリーと同じ名前のタグは使いません。
- タグは何個でも設定できますが、3個程度が良いとされています。
お疲れさまでした!タグについて理解が深まったでしょうか?次回はタグの設定方法を見ていきましょう!
参考 タグの設定方法は、こちらをご覧ください。
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